Media_httpfactmagimag_gwmga

ダブステップには音楽の「ウォリアー」が集まる魅力がある。ロンドン出身の新進気鋭なダブステップ・プロデューサー「Ikonika」がデビューアルバム『Contact, Love, Want, Have』(iTunesリンクAmazonリンク)をハイパーダブからリリース(4月5日リリース)した。

Media_httpwwwxlr8rcom_cjfkw

アルバム前半は沈み込むサブベースとスペーシーなビートに、ファミコンゲーム感覚の伸びのあるシンセとサンプルが融合してSF映画のサントラを思わせる広がりを与えてくれる。代わってアルバム後半は、2008年に12インチリリースした「Millie」、ハイパーダブ5周年コンピレーションにも収録された「Sahara Michael」、新曲「Psoriasis」「Look (Final Boss Stage)」などUKファンキーと2Stepを思わせるパーカッシブでリズミカルなビートの上にレイヤーされたうねるシンセ音は、まさに型にあてはまらないアルバムに仕上がっている。一見、ダブに影響された引き込まれるようなダークで重厚なサウンドと違い、ポップでエレクトロ調で「今風」な感じがただようこのアルバム。でも、聴けば聴く程どことなくミステリアスで、終わりがなければ永遠に昇天してしまいそうなほどいつの間にか引き込まれる不思議なサウンド。クラブの大きなサウンドシステムでも、家のステレオでも、iPodでもどこでも聴けるユニバーサルなアルバム。

 

ダブステップ音楽シーンの中心的レーベルの1つとして挙げられるハイパーダブは、過去6年で5枚のアルバムしか出していないほど音楽にはセレクティブ。現にアルバムがリリースされたアーティスト(Burial、Kode9King Midas Sound)は、その一瞬の音楽トレンドに併せるより、むしろ独自の世界観と革新的な音楽アプローチを体現しているパイオニア。その選りすぐりの中から、このアルバムリリース。ハイパーダブのロースターを見てみると、リミックスや楽曲提供で活躍の場を広げているSamiyam、またはZombyが今の勢いならIkonikaを上回っていると思う。様々な音楽ジャンルが交じり合って、より「クロスオーバー」な音楽スタイルへ進化していくダブステップ。でも多分ハイパーダブが今感じてる音楽表現を一枚に凝縮してみたら、Ikonikaとこのアルバムという形で表現されたのではないかと思う。このアルバムは決してハイパーダブ最高ではないと言える。インパクトとしてはBurialの1stアルバムが強かったし。だけどこれがIkonikaの始まりかと思うと、オリジナリティ溢れる音楽性と先進性は今後どこにたどりつくのか、今後の彼女の「戦い」にますます注目してしまう。


トラックリスト

 01. Ikonklast (Insert Coin)
 02. Idiot
 03. Yoshimitshu 
 04. Fish 
 05. R.e.s.o.l
 06. They Are Losing the War
 07. Millie
 08. Sahara Michael
 09. Continue?
 10. Heston
 11. Psoriasis
 12. Video Delays
 13. Look (Final Boss Stage)

 14. Red Marker Pens (Good Ending) 

 
関連ソース:
Ikonika (アイコニカ) Twitter @ikonika Myspace, Facebook ファンページ
Hyperdub ハイパーダブ Twitter (@Hyperdub) (Myspace)
関連記事  YouTube、数週間の内にサブスクリプション型サービスを開始か?
Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
取材依頼、寄稿記事、コンサルティングなどお仕事については「お問い合わせ」またはFacebookメッセンジャーからご連絡のほど宜しくお願い致します。

  • プロフィール
  • お問い合わせ