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先月、ソフトバンクが1億5000万ドル(約137億円)の出資を行ったソーシャルゲーム開発のZynga Game Network直後に日本のスタートアップ、ウノウを買収し、アジアのソーシャルゲーム市場を開拓するべく着々と基盤作りを始めています。同日にGoogleは同じくソーシャルゲーム開発会社Slideの買収を発表するなど、ますますメディアに取り上げられる対象となったソーシャルゲーム。日本でのソーシャルゲームは、Gleeやmixi、モバゲーなどが国産企業が展開してきた分野で、今後は「日本のゲームが海外へ」や「海外ソーシャルゲームを日本向けにローカライズ」などが積極的に展開されていくと考えられます。もちろん、Zyngaも日本SNSだけでなくモバイルキャリアにも参入してくると予測ができます。そこで、現状把握と今後予測も兼ねて、なぜソーシャルゲームが盛り上がるのか、どうしてZyngaは注目されるのか、を簡単にまとめたデータをご紹介です。

フェイスブックやMySpaceなどSNSの台頭に伴い、オンライン上でカジュアルに遊べるゲーム「ソーシャルゲーム」が増加してきました。これまでのオンラインゲームとの違いは、ユーザーはサイトに登録料を支払いことなく(無料ゲーム)、バーチャルグッズ(仮想アイテム)を購買してゲームを進めます。現在、月間で2億3500万人アクティブユーザーを有するZyngaは、Xbox Liveの2000万人、世界最大規模のMMORPGであるワールド・オブ・ウォークラフト(WoW)の1150万人を上回り、ソーシャルゲームプラットフォームでは圧倒的なユーザー数を獲得しています。

Zyngaはフェイスブックでの看板ゲーム「FarmVille」(牧場運営)をはじめ、「CafeWorld」(カフェ運営)、「Texas HoldEm」(ポーカー)などトップ10ゲームのうち、6ゲームを占めています。

Zynga、Playfish (大手ゲーム会社Electroic Artsが買収)、Playdom (ディズニーが買収) の3大ソーシャルゲーム会社の2009年度売上を比較した場合、Zyngaは2億ドル(約171億円)で1人勝ちの状態となっており、2010年にはその2倍以上となる4億5000万ドル(約430億円)の売上が見込まれます。その収益源となるバーチャルアイテム売上は、2010年度で16億ドル(約1370億円)に上ります。

Zyngaに関する事実として、全売上90%がバーチャルグッズ販売からで、その内45%がFarmVilleからの売上となっています。また、バーチャルグッズ購入にはオンライン決済サービス「PayPal」が使われており、PayPal利用ではオークションサイトのeBayに次いで世界で2番目に大きな規模を展開しています。

Zyngaもユーザーの自動請求や不当な広告など問題はありました。CEOのマーク・ピンカス氏も売上を伸ばすために「これまでにありとあらゆるひどいことをやってきた (did every horrible things in the book to get revenue)」と過去に説明したこともありました。またZyngaは20以上の訴訟で競合他社が「秘密の成分 (Secret Sauce)」を盗み、新ゲームの開発を試みたと主張してきました。

皮肉にもZyngaのゲームもまた、他社ゲームとコンセプトが似通ったものとなっています。Mafia Warに至っては、もととなっているPlaydomのMob Warにそっくりということで告訴されました。

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Zyngaがトップに躍り出てきた背景には、ゲーム同士を連動させユーザー間でバーチャルグッズを交換しあうことで得られるインセンティブと、フェイスブックやMySpaceなどネットワーク横断型のクロスプラットフォームでの展開ではないでしょうか。ソーシャルゲームでのフリーミアムモデルによるバーチャルグッズ課金や広告から得られる収益はSNS企業にとっても大事な収入源となっていることも後押ししています。ただフェイスブックという一つのプラットフォームに依存するビジネスモデルには限界がありますし、コンソールゲームが手掛ける人気タイトルのフランチャイズ化での展開が難しいソーシャルゲームでは、常に他社より早く新しいゲームの開発が求められてきます。そのためのアジア市場であり、日本のスタートアップ買収であると推測できます。Zyngaを中心とした成長の速いソーシャルゲーム業界には、今後の展開に大きく期待しています。

詳細はこちらのサイトでどうぞ。

Zyngaによるウノウ買収に関するまとめ、「Zyngaによるウノウ買収の衝撃」 はこちらからご覧いただけます。
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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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