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5月に開始されるや、テック系やウェブ系のブロガーやFacebookユーザーの間で爆発的な人気を得た「Turntable.fm」。残念ながら音楽ライセンスの関係で、日本(米国以外)からのアクセスは6/26で遮断されてしまいました。しかし、AppDataによれば、Turntable.fmの月間アクティブユーザー数は(開始わずか2ヶ月弱で)340,000人以上を獲得しており、現在最も注目されるスタートアップの一つです。

詳細はこちらで

Turntable.fmは、DJになったユーザーが様々な部屋で楽曲をプレイできたり、参加者として他のユーザーとチャットして曲に投票できるソーシャルな音楽サービスです。
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ユーザーはアバターを設定して、既存の部屋か新たに作成した部屋に加わり、DJになる場合MediaNetのライブラリーから選択した曲か自分でアップロードした曲をプレイし、参加者になる場合は流れてくる音楽をストリーミングで聴いていたりチャットしたりできるソーシャルサービスです。

そしてこれまではブロガーやネットユーザーのアーリーアダプターが熱中してきた同サービスですが、徐々にアーティスト達も注目し始めてきています。アーティストの参画が活発化することで、彼らが大勢のフォロワーに与える影響力やリアルとの連携が高まり、サービスやユーザーに新しい価値が生まれる機会が増えると思われます。今回はアーティストとTurntable.fmの関わり方についてをまとめてみました。

なんで日本で利用できないサービスをフォローしているのか? と思われるかもしれませんが、Turntable.fmはソーシャルネットワークをリアルタイムでインタラクティブに集約し、インタレストグラフ(この場合はミュージックグラフ)もソーシャルグラフも活用して、そして何といっても感情移入させるサービスという点では、とても参考になります。音楽サービスやコンテンツビジネスだけでなく、インターナショナルなサービス(大抵はそうだが)との関わり方という点で、自分の勉強を兼ねて情報を集めてみました。

1. アーティストがTurntable.fmに投資

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レディーガガとカニエ・ウェストが、『Turntable.fm』に出資したことが明らかになりました。過去にTwitterやTumblr, Foursquare, SoundCloud等に投資してきたニューヨークの著名VCのフレッド・ウィルソン氏率いるユニオン・スクウェア・ベンチャーがリードして7500万ドルを調達した投資ラウンドに、参加したことを、Business Insiderがレポートしています。

どのような関わりをもつのかは不明ですが、ソーシャルメディア活用には積極的な二人だけに今後の展開が大きく期待できます

投資ではありませんが、Turntable.fmを支援するアーティストも出てきています。ヒップホップアーティストで熱心なTT.FMファンであるタリブ・クウェリ(Talib Kweli)がTurntable.fmのオフィスを訪問、初の認証アカウント(Verified account)取得者に選ばれたことを本人がTweetしています。

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集客力のあるインフルエンサーが認証アカウントになるのと引き換えに、クウェリはTT.fmから独自のアバターをもらってDJしています。
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2. 新アルバムの先行リスニングイベントを開催

ラ・ラ・ライオット(Ra Ra Riot)のマシュー・サントスは、ソロアルバム『Massachusetts 2010』のリリースを8月2日に控え、アルバムからの楽曲をバンドの部屋「Ra_Ra_Rio」でプレイするリスニングパーティを開催しました。

その他にも音楽雑誌のPaste Magazineが、自らの部屋「Paste」で、フォークロックバンド「Slow Club」が9/13にリリースする最新アルバム『Paradise』をいち早く聴けるイベントを開催しました。このイベントは7月開催でしたので、2ヶ月以上先のアルバムを聴けるチャンスが与えられたら、ファンにはたまりませんね。

3. 未発表曲をプレイしてオーディエンスの反応を見る

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ビヨンセの新アルバムやM.I.A.の楽曲を手がける、有名な音楽プロデューサーでユニットMajor Lazorの一員であるDiploは未発表曲をプレイしてファンと交流しようと考えました。しかし、逆にファンから新曲に対して厳しい反応しか返ってきませんでした。

6/28にTurntable.fm内で開催されたプライベートイベント「VIPfest」は、音楽ブログのHipster Runoff (@hispterrunoff)のブロガーのCarlesとGorilla vs. Bear (@gorillavsbear)が企画し、参加アーティストはディプロ、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーリグ、アリエル・ピンク、音楽ニュースサイトPitchforkの創設者ライアン・シュレーバーなど豪華なメンバーが名を連ねていました。

招待状

このイベントでディプロは、Major Lazerの新曲「Mi Bugle No 3rd T2」やタイトル未定の楽曲など3曲プレイしたところ、参加者から「だめだ(Lame)」の投票がたくさん集まり、DJブースから降ろされてしまうという結果になってしまいました。
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たくさんの「Lame」が集まった理由には、Diploをプレイさせるために何人ものユーザーをDJブースから(部屋主が)追いやることをしていたことが、過剰反応の原因につながったそうですが。。

ですが、有名プロデューサーにもNOを突きつけてしまう環境は、サービスにおいてユーザーが主導権を持っていることの重要性を反映していて、まさにソーシャル時代の消費者インタラクションを具現化していると感じます。

後日談ですが、ディプロはTT.fmを拒絶することには走らず、なんと自身の音楽レーベル『Mad Decent』の部屋、turntable.fm/mad_decent を立ち上げ、ライブで反応が返ってくるオーディエンスの前で、新曲をテストする場所に位置づけています。海外アーティストの先進テクノロジーに対するこういう取り組む姿勢は、本当に尊敬します。

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ざっとまとめてみましたが、いかがでしょうか? もっと勉強していきたいサービスですので、こんな事例もあったよ、と新しい情報をお持ちの方いましたら、ぜひご連絡ください。

Turntable.fmは今でこそ日本で利用不可能なサービスですが、著作権の問題をクリアすれば、同サービスまたは同類のサービスが日本でも展開されるはず。その時までにサービスの価値を出来るだけ見つけておき話題性の理由をキャッチアップしておきたい気持ちで、このサービスには注目しています。

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ソース
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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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