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image via Business Insider
今年6月末に広告ネットワークのSpecific Media(とジャスティン・ティンバーレイク)に買収された、衰退したかつての大手SNS『MySpace』が新しいマネジメントの元、再発進したということで、チェックしてみました。

刷新されたMySpaceは、無料の音楽オンデマンドプレーヤー、音楽レコメンデーション機能、サーチエンジン、Facebookとの連携などが加わりました。かつての競合であるFacebookとの連携を始めたことも、驚きの決断ですが、当然の流れと思えます。

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image via Popsop

以下はビルボードの記事の抄訳です。

MySpaceのCOO(最高執行責任者)であるChris Vaderhookは、「(Facebookとは)自然な相互関係があります。彼らのユーザー数やSpotify, MOG, Rdioとの連携を考えた場合、MySpaceのカタログも解放することは意味のあることです」とビルボードに説明しています。

ビルボードはMySpaceのカタログの重要性を指摘します。MySpaceは所有する総数4200万曲以上のカタログの内、3000万曲におよぶインディー系アーティスト、新人アーティストの楽曲への独占的アクセス権を保有しています。VenderhookはMySpaceのブランドをソーシャルネットワークサービスとしてでなく、ソーシャルな音楽サイトとして復活させることを視野に入れています。

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大きくフォーカスしたのは、ディスプレイ広告付きのPCおよびモバイル向け無料音楽プレーヤー(曲の間に音声広告は流れない)と強化された音楽検索機能です。MySpaceによれば、現在公開中のベータ版ではユーザーが1時間以上にわたり20曲以上を再生しており、一人あたりの平均音楽再生回数が10%増加したと述べています。

音楽プレーヤーの説明

音楽プレーヤーは以下の機能を搭載します
– オンデマンド再生:シングル、アルバム、プレイリストをオンデマンドで再生できる
– Facebookとの連携:聴いた音楽情報をFacebookのウォールやティッカーに流して友人と共有できる
– パーソナルラジオ機能 (Radio Mode):これまで聴いた楽曲に基づき新たな音楽を自動でレコメンドしてストリーミング再生してくれる。メジャー、インディー、新人などMySpace上のアーティスト1500万組の楽曲からストリーミングしてくれるアーティストラジオ機能もある
– 楽曲検索:ブラウズ・ディスカバーなどオプションの選択が可能

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広告ビジネスとしては、広告主向けに映像制作の舞台裏などを加えたミュージックビデオの作成およびカスタマイズして提供していく予定です。MySpaceは新たなサービスを加えたフルスケールリローンチを2012年前半に予定しており、音楽プレーヤーはその第一歩にすぎません。

ですがユーザー数の急減は止まりません。ComScoreによればMySpaceの月間ユニークユーザー数は2010年11月から2011年11月にかけて5430万人から2490万人へ約50%減少しています。

実際に音楽プレーヤーを使ってみました。音楽プレーヤーもラジオモードも、あまりにもジャンルが一般的な音楽が続けざまに再生されるので、スキップばかりしてしまい、MySpaceが唄うインディー系アーティストの音楽発掘は一度も体験できませんでした。また、サイトも使いづらく、再生中に検索するとけんさくされたアーティストの楽曲がいきなり始まってしまうという結果でした。

MySpaceが抱える多数の無名アーティストにとって、今回のリニューアルはどのように影響するのでしょうか?MySpaceが説明するアーティストの数も、もしかしたら過去に登録だけして楽曲をアップしていたアーティストのアカウント数のことを指しているとしたら(古い楽曲の使い回し状態?)、どのようにして新しい楽曲やアーティストとのインタラクションを今後増やすのでしょうか?

みなさんはどう思いますか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ソース
Exclusive: MySpace Launches New Music Player, Search Function, Facebook Integration (12/19 BIllboard biz)
New MySpace “Unleashes World’s Largest (100% FREE) Online Music Library” (12/19 hypebot)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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