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音楽コンサルティング会社Music AllyThe Appsideが主催した音楽ビジネス関係者向けイベント『Music Apps: Beyond the Hype』にて、音楽アプリ利用が2011年は前年に比べ530%増加し、ユーザーは有料アプリも購入しているという驚異的な数字が分かりました。音楽アプリ利用に関する情報は少ないので、貴重です。

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モバイル分野の調査分析サービスを提供するFlurryヨーロッパ代表のリチャード・ファーミンガー (Richard Firminger)氏は、スマートフォン市場規模と音楽アプリ市場に関する興味深いデータを公開しています。

以下はファーミンガーが発表したデータのまとめです。(Flurryはサンフランシスコを拠点、データは世界市場総合と推測)

【音楽アプリに関するデータ】
– アップルのApp Storeには500000以上のアプリが存在するが、音楽アプリはわずか9000個で全体の2%未満。
– 音楽アプリ利用時間は増加しており、2011年は前年比530%増
– 音楽アプリ部門での売上トップアプリの72%は有料 (ゲームアプリ部門では24%が有料)
– 音楽アプリは平均5.99ドル
– 有料でも購入する理由の一つに、音楽アプリは「コンテンツ制作」(Create)が可能

スマートフォンのセッション数(単位:10億セッション)

【スマホ市場に関するデータ】
– 全世界でのスマートフォンのアクティベーション数は約4.8億台(累積)
– アプリのダウンロード数は250億件に達した
– 2大プラットフォームであるアップルiOSとアンドロイド向けに提供されるアプリ数は約750000個(重複を含む)
– 最も利用されるアプリは『ゲーム』と『ソーシャルネットワーク』系アプリで、アプリ利用時間全体の約80%を占める

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Flurryのデータによれば、30日以内の62%のユーザーがアプリを使用しなくなり、12か月後には94%が利用をやめるそうです。

この結果から考えると、音楽アプリ利用が増加し有料アプリが購入されていますが、今後はどのようにしてインストール後もアプリを定着させ継続的に利用してもらうかがアプリ開発者にとって大きなチャレンジになります。

ファーミンガーはShazam』をStickiness (粘着度)が高いアプリ例として挙げています。

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アプリ定着化、粘着度向上を考えた場合、音楽とモバイルそしてソーシャルは相性がいいと思います。音楽ファンの関与度によって、複数の可能性があるのではないでしょうか。

一つは消費者の行動の中に音楽を結びつけたアプリ。例えばShazamやSoundTrackingのような音楽発掘アプリ。身の回りの音楽を発見共有できるアプリは、店舗やBGMなど自分の生活の中で音楽をつなげる。さらにソーシャルメディアで人をつなげることで情報とコンテンツの共有が進むことで、一つのパーソナル化されたSNSプラットフォームとなっています。

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コンテンツへの関心が薄いユーザー層でも、誰もが知っている「音楽」というジャンルを提示するだけで、情報接触のきっかけを喚起してコミュニケーションの共通言語の一つを生成することが出来ると思います。

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または、コアファンを対象にした、「ソーシャル機能」を組み込んだモバイルアプリ。アーティスト/コンテンツ制作側はモバイルだけでしか出来ない体験をアプリで提供する。「アーティストのブログが読める」ことではありません

動画を閲覧できる、写真を共有する、ライブ情報を入力する、楽曲をリミックスできる、など好きな熱意をファン同士や友人に伝え共有し合える環境を、スマートフォンの機能に適したアクションで構築する。クリエイターによっては、日本発海外向けコミュニティや、ファン専用のプラットフォームがアプリで生まれるかもしれない。

ですので、やみくもにアプリで情報を『閲覧』してもらい、その後好きになったらコンテンツも購入してもらおうという戦略は難しいかもしれませんね。

調査会社Nielsenによる、「アーティストアプリ」「音楽発掘アプリ」「音楽ストリーミングアプリ」「コンサートアプリ」の中で、モバイルフォンで利用したいかの調査結果
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ディスプレイが大きく利用形式も多様化するiPadやタブレットでのアプリ利用も一つのキッカケかと思いました。

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iPhoneやアンドロイド向けアプリと連携して、データや情報、コンテンツ再生が端末に限定されずに体験できるライフスタイルによって、ファンがアーティストやコンテンツに接する時間が長期化し、アプリ経由で世界観の構築または再現やブランディングでファンとつながることができるでしょう。

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世界市場とはいえ、スマートフォンユーザーには日本も含まれることから、完全に無視することは出来ない情報だと思います。日本にも、こういうカンファレンスは必要ですね。いつか実施してみたいです。。。

この記事は、昨日アップされた伊藤雅啓さん(@i_T_O_)のブログ記事「アーティストアプリはコアファン育成に有効なビジネスモデル」にインスパイアされています。ありがとうございます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ソース
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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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