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ヨーロッパ、米国で人気を要する定額制音楽ストリーミングサービスSpotify (スポティファイ)が、新たに12の音楽アプリケーションを発表しました。

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image via TechCrunch

2011年11月にSpotifyは音楽サービスとしてはいち早く、サードパーティのアプリ開発者や音楽メディア、他社の音楽サービスなどにAPIを開放し、Spotifyと連携するアプリを開発できるアプリケーション・プラットフォーム「Spotify Platform」を発表した。Spotifyアプリ第一弾はローリング・ストーン誌やPitchfork, ザ・ガーディアンなどメディア企業やLast.fm等オンラインサービスといった音楽ファンに広く認知されているメディアから提供されました。

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今回発表されたアプリは二通りのタイプで提供されます。一つはレコード会社のディスコグラフィーにアプリ基づいたアプリで、新作やアーティストから直接コンテンツへアクセス可能なアプリ。もう一つは音楽発掘の分野で、こちらはTweetVineやFiltrなどユーザーのソーシャルグラフやジャンルに適したプレイリスト作成機能やレコメンデーションが提供されます。どちらのアプリも、より多くの音楽を聞いてもらえるよう、ユーザーがコンテンツを探しやすくすることを支援が目的です。

人気ある各パートナーの自社コンテンツとSpotifyを統合することで、Spotifyデスクトップアプリを通じてより多くの音楽へアクセスする体験を増やすことがSpotifyの狙いでした。

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 AppDataデータによれば、Spotifyはデイリーユーザー数580万人、月間ユーザー数が1730万人に拡大しています。米国に進出して7ヶ月で会員数は1000万人以上、その内で有料会員数は300万人以上に増加し、着実に勢いを拡大しています。2011年12年の時点では月間ユーザー数は1020万人だったことを考えると、3ヶ月あまりで700万人以上月間ユーザー数を増やした計算です。

これでSpotifyが提供するアプリは合計27個に拡大します。競合がアプリプラットフォーム戦略に取り組んでいないことを考えると、Spotifyがこの分野で他社との差別化をさらに強固にし、またパートナー企業との関係を強化することが可能となり、アプリからのアクセスが増加した結果、音楽ストリーミングのユーザー数獲得につながる可能性がますます広がると考えられます。

簡単ですが、新しいアプリの紹介です。

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【the warner sound】
ワーナーミュージックのグリーンデイ、ブルーノ・マース、Cee Lo、ザ・ドアーズ、グレイトフル・デッドなど有名アーティストから新人まで、アルバムやジャンル別の楽曲やアーティストが作成したプレイリストなど幅広い音楽を視聴できる

NYCの老舗インディー系レコード会社のアプリは、最新リリースやツアー日程、プレイリストが閲覧できるだけでなく、1992年からリリースされた音楽にアクセスできる

【Domino】
インディー系レコード会社のDominoアプリはのカタログから視聴でき、また限定のプレミア音源なども視聴可能。

ヨーロッパ最大のインディー系レコード会社PIASから、新アルバムやレコメンデーション、過去の作品が視聴可能。

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1984年に設立されたヒップホップのDef Jam Recordingsアプリでは、カニエ・ウェストやリアーナなど人気アーティストから26年の歴史が凝縮された楽曲やプレイリストを視聴できる。

音楽発掘の分野では7つのアプリが登場

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【Filtr】
Facebookの友人の嗜好をベースにプレイリストを構築してくれるアプリ。ユーザーは好きなアーティスト、友人が好きな音楽やFacebookイベント、ジャンルや国別で検索し、プレイリストを簡単に作成し共有できる。ソニーミュージックのスウェーデン社が開発。

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TweetVine
Twitterで流れてくるハッシュタグ「#NowPlaying」が付けられた楽曲をチャート化したアプリ。このアプリはユニバーサルミュージックのエンジニアロンドンで開催されたMusic Hack Dayで開発したアプリ。

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ユーザーの好きなジャンルやFacebookでの視聴履歴、ランニングや運転など, ライフスタイルに適したプレイリストを毎週簡単に更新してくれるアプリ。Digster Karaoke機能もあり、カラオケ用インスト曲をまとめたプレイリストも作成してくれる。ユニバーサルミュージック作成

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【Hot or Not】
楽曲が好きかどうか投票ができるアプリ。ポイントを貯めたりバッジを獲得するなどゲーム要素ある設計(Turntable.fmをご想像ください)。ワーナーミュージック提供。

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【Legacy Of】
ソニーミュージック傘下Legacy Recordingsによる、著名アーティストの高精細画像、キュレーションされたプレイリスト、レコメンデーションを提供するアプリ。ソニーミュージックが開発。

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【Classify】
クラシック音楽を作曲家、楽器、時代、ジャンルなどに基づくプレイリストをレコメンデーションしてくれるアプリ。X5 Music Groupが提供。

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【Complete Collection】
アーティストの音楽、歌詞、ライナーノート、画像、クレジットなど音楽に関する詳細がデータを閲覧出来るアプリ。ユニバーサルミュージック提供。

こう見ていると、音楽会社もアプリケーション開発に熱心ですね。独自のモバイルアプリを作成しても、DL数が伸びない、短期的な利用で終わってしまうケースを考えた場合、より長期的にユーザーに利用してもらうには、Spotifyが抱える大きなユーザー層は魅力的ですね(とはいってもアプリを作成したからといってSpotifyユーザーが利用するかは別問題)。

日本にはまだSpotifyは上陸していないので何とも言えませんが、日本でも音楽アプリの分野はネットユーザーが多いだけに、普及すると予測しています。このSpotifyのアプリケーションプラットフォームは、世界中の音楽に携わるビジネスにとって、ユーザーとの接触時間を拡大し音楽体験を増やす可能性だと感じますが、みなさんはどう思いますか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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