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世界で急成長中の聴き放題音楽ストリーミング『Spotify』(スポティファイ)のCEO, Daniel Ekがスウェーデンの新聞Dagens Industriの取材にて、同社の財務状況について答えています。最も驚くべき数値は、同社は2012年度の売上は8億8900万ドル(約750億円)を上回ると予測しています。Ekはまた昨年度の売上は2億3640万ドルに上り、純損失も5940万ドルに拡大したと述べています。

【2012年度予測】
– 収益は8億8900万ドル
– 損失はxxx万ドル

【2011年度】
– 収益は2億5000万ドル (2010年度の160%増)
– 損失が5900万ドルに拡大。(2010年度の59%増)

【2010年度】
– 収益は約9910万ドル(6320万ポンド)
– 純損失は約4150万ドル(2650万ポンド)

【2009年度】
– 収益は約1770万ドル(1130万ポンド)
– 純損失は約2600万ドル(1660万ポンド)

ソース

数値をグラフ化してみました。2011年の急激な伸びは7月の米国進出が大きな要因と思われます。2012年の損失については、明言していません、当然ですが。
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1300万のアクティブユーザーを抱える音楽ストリーミング。同社の収益化についての質問に対し、「現在は全て成長戦略に注力している」と答えています。企業価値は40億ドルの評価で1億8900万ドルの資金を調達しています。ZyngaやFacebookなどテック系企業と同様の新規株式公開(IPO)を行うことについては、「私たちは長期的に会社を作り上げたいと考えます。株式上場はオプションではありません」と述べている。

Spotifyは世界13ヶ国で会員数1300万人以上を獲得しており、うち有料会員は300万人以上です。同社の収入源はフリープランユーザーの利用中に表示再生される広告と、有料会員からの課金です。

多くの人がフリーミアムモデルのサービスに注目する理由は、SpotifyがiTunesやAmazonなど既に存在するコンテンツダウンロード購入販売とは別のオプションを消費者に提供することです。そして、Spotifyのビジネスが既存のサービスと共存もしくは更なる利益化に導けるかだと思います。この見方は、今新たな収益モデルを模索しながら変革を迫られている数多くの業界にも関係することではないでしょうか?

例えば音楽業界。これまでは業界関係者はSpotifyを収益を奪う『脅威』と見てきました。しかし2011年には 全米レコード協会(RIAA)が公開したレポートによれば、米国の音楽市場全体は7年ぶりに売上が上昇、様々な要因が寄与した中でアルバムDLとSpotifyなどの定額制音楽サービスの成長が大きく牽引していると言われています。
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この一年だけで「産業がプラスにつながる」とはまだ言い切れませんが、今後拡大するであろう定額制・プラットフォーム型サービスを現行のデジタル販売サービスやフィジカル(CDやアナログ)等と比較し, 成長する為の対応を考慮する際には、Spotifyの業績が業界のベンチマークの一つになると思いますし(海外のレコード会社さん、メディアでは既に将来性を評価する動きも見られます)、日本などまだ導入されていない市場でのメリット・デメリットを議論し判断を下すための貴重なバロメーターになると思います。

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ソース

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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