フランス発の音楽ストリーミングサービス「Deezer」(ディーザー)が、中南米35ヵ国でサービスを開始したことを発表しました。欧米で大人気のSpotifyRdioとは違う戦略で世界進出を進めるDeezerによって、デジタル音楽サービスの世界展開が一段と激化しそうです。

2006年にフランスで設立されたDeezerは、ウェブブラウザやモバイルアプリから聴き放題できる定額制音楽ストリーミングサービスです。Facebookから直接ログインができ(昨年Facebookが発表したTimeline導入における音楽パートナーの1社)、友人同士で音楽やプレイリストが共有できるソーシャルな音楽サービスです。Deezerはフランス国内で大手レコード会社、インディー系レコード会社、権利者団体とライセンス契約を締結しており、ユーザー数約2300万人に1800万曲以上の楽曲へのアクセスを提供しています。そして2011年秋、200ヵ国でサービスを展開し世界初の「グローバル音楽サービス」を目指すという、大胆な世界戦略を発表しました。
Media_httpevolverfmwp_bnlib

Deezerがこれまでに進出してきた国です

南米 35アンギラ、, アンティグア・バーブーダ、アルゼンチン、アルバ、バハマ、バルバドス、ベリーズ、バミューダ、ボリビア、ケイマン諸島、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ国、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、グレナダ、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、プエルトリコ、セントクリストファー・ネイビス, セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、スリナム、トリニダード・トバゴ、ウルグアイ

Media_httpedgeallurem_qksyd

Deezerはこれまでは主にヨーロッパ諸国を含む49ヵ国で展開してきました。今回発表した国の中に、南米で最も人口の多いブラジルが含まれていません。同社の計画では、アフリカでの展開も含まれていましたが、未だに実現はしていません。

またDeezerは世界最大の音楽市場である米国と日本への進出を視野に入れていないことを明言しています理由は「市場飽和」と「低成長予測」。ここはSpotifyやMOG, Rhapsodyの戦略と大きく異なります。ターゲットを絞った市場でのトッププレーヤーを目指すSpotifyに対して、市場全体を拡大しより多くのユーザーを取り込むDeezerは、対象が広くなる分Spotifyのようなソーシャルメディア上での急激なバイラル性は無いかもしれませんが、直接の競争や困難なライセンス契約プロセスを避けながら規模を拡大する戦略も、意外ですが賢明な選択だと思います。

このロードマップに関してはウォールストリートジャーナルとのインタビューでCEOが説明しています。

ですが、1音楽消費者でデジタル音楽を応援する人間としては、良いサービスであれば早く日本市場に参入してほしいと強く願うばかりです。

Media_httpwwwdigitalh_sgjka

Deezerのサービス形態と価格です(国によって若干異なりますが、ご参考まで)

フリー 「Discovery Mode」:PCとモバイルからラジオへの聴き放題、オンデマンドストリーミングは30秒クリップ、広告付き
有料「Premium」:月額4.25ドル(または3.49ドル)でPCから聴き放題、広告無し
有料「Premium+」:月額8.49ドル(または6.99ドル)でPC, モバイル、タブレット、TVからアクセス可能、広告無し

Deezerの特長はSpotifyやRdioと違い、オンデマンド視聴を無料会員には提供していないこと。その代りにアーティスト別やジャンル別のネットラジオ機能が聞き放題になっています。
Deezerの戦略はローカルのモバイルプロバイダーと提携したサービスを提供すること。これまでにSpotifyのお膝元の英国に進出した際には、Orangeとのパートナーシップを発表しています。

ところで、中南米でデジタルコンテンツサービスなんて普及するのかな、なんて不思議に思っていたら、『Digital Latino』というユーザー層があるんですね。

Media_httpgigaompaidc_hdbdi

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメントは
@jaykogami まで
Facebook.com/jaykogami までどうぞよろしくお願いします。

ソース
関連記事  あのオールドスパイス・ガイをパロディ化した、女性モデルが登場する英タブロイド紙「ザ・サン」の『ページ・スリー』キャンペーン動画
Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
取材依頼、寄稿記事、コンサルティングなどお仕事については「お問い合わせ」またはFacebookメッセンジャーからご連絡のほど宜しくお願い致します。

  • プロフィール
  • お問い合わせ