英国出身の人気ロックバンドColdplay (コールドプレイ)が面白い取組みをライブで行っている。新アルバム「Mylo Xyloto (マイロ・ザイロト)」のプロモーションのため、現在欧米を中心に世界ツアーを行うコールドプレイは、20000人以上がスタジアムを埋めてしまうコンサート会場で、こういうライブになら行ってみたいと思わせるような、ファンがバンドと一体になってライブを楽しめる、インタラクティブな音楽体験を提供している。

 

その体験を引き起こすツールは、会場で参加者全員に配布される無料のリストバンド「Xylobands」

 

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様々な色のLEDが発光するリストバンドは、ライブ中にマルチカラーのライトで会場全体を照らし出す。ファンとライブ音楽とが一体となった光景は圧巻。

 

 

 

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Xylobands YouTubeチャンネル(ライブの様子が見れます)

 

Xylobandsの優れた点は、専用のソフトウェアを使って、リストバンドのライトアップするタイミングとパターンを信号で制御していること。会場では制御するシグナルが約300メートルの(328ヤード)の範囲内で飛んでいる。

 

 

この設定により、一定時間発光するグロースティックとは違い、曲に合わせたライティングを演出することができ、曲と周囲の観客との一体感を醸成する。

 

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リストバンドが人気の楽曲「Charlie Brown」とシンク(同期)してライトアップしたシーンの動画。この一瞬にしか見られない、感動的な光景。

 

 

 

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またライブに参加しXylobandsを体験したファンは、自発的にFacebook, Twitter, ブログで体験を投稿しています。Xylobandsのユニーク性はファンにとっては共有したいコンテンツの一つ。バンドは拡散してもらいやすい話題を提供することで、伝えることが難しい芸術の世界で見事に、口コミ効果、フリーPRへつなげています。

 

「It’s part of the show」
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リストバンドXylobandを考案したRB ConceptsのJason Regler氏は、コールドプレイの楽曲「Fix You」の歌詞にある”lights will guide you home” からアイデアを得たと説明しています

 

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Twitterのハッシュタグ「#coldplayfilm」も印刷されて、ライブDVDのプロモーションにも使われている。ファンは、ライブ終了後会場でリサイクルするか、お土産として持ち帰るかが選べる。
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All images are via Xyloband Facebook

 

こちらは会場でファンが撮影した動画。バンドとの一体感、躍動感あふれるライブ感、巨大ディスプレイとしてのアートワーク、様々な音楽体験が生まれる様子が伝わってきます。

 

 

音楽体験を通じて音楽を知ることで、関心や好感が今まで以上に上がる。ライブに参加した人は今まで以上にライブを楽しめる。バンドのファンは同じ音楽を好きな人がこんなに楽しんでいるから、自分もライブに行ってみたいと強く思うでしょう。またバンドを知らない人は、彼らのライブが楽しい、面白そう、ユニークなお土産、と参加者の投稿した動画や写真から感じることができるでしょう。

 

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テクノロジーを生かした音楽体験を作ってあげることから、ファンは音楽に対してこれまで実感したことのない大きな価値を見つけ、聴いてみたい参加したいと好感や関心が高まって行くでしょう。

 

ステージに上がった時に広がる、無限のライトのうねり。

 

コールドプレイの場合、それはXylobandsであり、公式ページでの投稿セクションであり、会場での写真・動画撮影であった。「ソーシャルメディアを使う」、「アプリを作る」だけでは音楽体験は引き出せない。ファンが参加でき行動を起こせる方法をっ最大限に考慮することが今後はもっと大切になってくるのではないでしょうか。

 

 

Coldplay (コールドプレイ)
http://www.coldplay.com/live.php (ツアー情報)

 

 

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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