先日大物アーティストのピンク・フロイドがようやくSpotifyなど音楽ストリーミングサービスに音楽カタログを開放し、楽曲配信を開始し始めました。そして、昨日さらにもう一組の大物アーティストが世界的に成長している音楽ストリーミングサービスの波に乗り始めました。
あのピンク・フロイドの全カタログがSpotifyで配信間近! 再生するたびに実現に近づくユーザー参加型キャンペーン
続報:音楽ストリーミングSpotifyにピンク・フロイドの全カタログが登場!
世界的に人気のロックバンド、イーグルスが音楽ストリーミングサービス「Spotify」での配信を開始しました。世界で1億2000万枚以上のアルバムを売上げ、グラミー賞を6回受賞してきたイーグルスは、音楽ストリーミングサービスでの配信を差し控えてきた大物アーティストの1組で、長い期間ファンやリスナーの間で配信が期待されてきました。
イーグルスは「History of Eagles Live in concert」というタイトルの大規模ツアーを今年は北米で行なっています。イーグルスのSpotifyへの楽曲解禁は、全米やカナダの音楽ファンにとって、バンドの精力的な音楽活動に接することができる、もう一つのチャネルを開拓してくれます。
イーグルスが2008年から2011年にかけて行ったワールドツアー「Long Road Out Of Eden Tour」は、当時のレートで合計2億5000万ドル以上を叩きだし、音楽市場12番目の興行収入を上げたツアーとなるほどで、彼らの世界的に圧倒的な支持を受けていることが分かります。またイーグルスの長年のマネージャーは、前ライブ・ネイションの会長であったアーヴィン・エイゾフ(Irving Azoff)であることなどから、バンドのマーケティングも世界規模で戦略的に行われています。
イーグルスにとってサブスクリプション型音楽サービスでの配信は、デジタルサービスを利用するターゲット層への音楽訴求につながることが予想されます。無料視聴によるアルバム売上の機械損失を防ぐため、サブスクリプション型音楽サービスでの配信を控える施策を取るアーティストは今でも存在します。またアルバムのリリースのタイミングから送らせてサブスクリプション型音楽サービスでの配信を開始する「Windowing (ウィンドウィング)」戦略を使うアーティストやレーベルも現れ、テイラー・スウィフトやVampire Weekendなどは最新アルバムでこの戦略を実施しています。ですが、この戦略を用いることが、アルバム売上に悪影響を与えるといったデータやケースは出ていません。逆にSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスがプロモーションや話題つくりに寄与すると考えるレーベルやアーティストも増加しています。
同時にイーグルスの楽曲カタログはSpotify以外にもRdioとRhapsodyでも解禁されました。今後日本でも進出が期待されるSpotifyが登場する時までには、大物アーティストの作品や最新アルバムが揃って展開できるように、音楽ストリーミングサービスへの関心と理解がアーティスト間や音楽業界内でも高まっていることに期待したいです。個人的にも、音楽ストリーミングサービスの啓蒙活動を活動的に行ない、前向きにデジタル音楽サービスと向き合う関係を構築する支援をしていきたいです。これで後はレッド・ゼッペリンがくればいいですね。
ソース
The Eagles Catalog Available at Subscription Services(6/24 BIllboard)