多くのミュージシャンやセレブから支持を集める、若者に人気のヘッドフォンブランドBeats by Dr. Dre。米メディア「Fast Company」が、高級ヘッドフォンブランド「Beats by Dr. Dre」を展開するBeats Electronicsの2013年度の収益は14億ドル(約1384億円)に達するとレポートしています。

Fast Companyが入手した情報によれば、収益は最大で15億ドル(約1483億円)に達する可能性もあります。Beatsはこれまで1500万〜2000万個のヘッドフォンやスピーカーを販売しているとのことです。

ご参考までに:14億ドルはマイクロソフトのOffice年間予測売上(ランレート)をわずかに下回る数値です。
MS、Q4決算は予測下回る–「Surface RT」在庫調整費用で9億ドル(7/19 ZDNET)

 

創業者の二人:ドクター・ドレー(Dr. Dre)と、BeatsのCEOで、大手レーベルのインタースコープ・ゲフィン・A&Mレコード(ユニバーサルミュージック傘下)会長のジミー・アイオヴィン(Jimmy Iovine)

調査会社NPDのデータによれば、100ドル以上の高級ヘッドフォン市場は年々規模を拡大して、2011年は18億ドル、2012年は24億ドルと毎年市場が拡張しています。

フィナンシャル・タイムズによれば、競合がひしめく市場にも関わらず、Beatsはクリスマス商戦時における米国のヘッドフォン市場で40%、高級ヘッドフォン市場では70%近くのシェアを占めます。2012年収益は2億9800万ドル5億19万ドルへと成長しています。

Beatsは非上場企業ですので、実際の数字が公開されることはありません。しかし、これらの数値を見る限る、Beatsは高級ヘッドフォン市場での圧倒的に優位なポジションを今後も維持し、高級ハードウェアが高い収益性を持つことを示しています。

Beats Electronicsの最近の動向

2006年創業のBeatsは、2012年1月に長年のパートナー企業だったMonster Cableと袂を分かち、独立した製品開発に力を入れ始めます。そしてその後もまた2011年に大手株主となった携帯メーカーのHTCから株式の過半を買い戻し、独立した経営体制を維持させてきました。

またBeatsは2012年3月に米国の音楽ストリーミングサービスMOGを買収し、自社内で新しいプロジェクト「Daisy」(デイジー)」と呼ばれるサービスを立ち上げ、音楽ストリーミングの分野への本格参入を計画しています。

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ソース
MAJOR BEATS: BEATS ELECTRONICS MAY BE ON TRACK TO HIT $1.4B IN 2013 REVENUE(7/31 Fast Company)

Dr Dre beats new paths in music(1/11 FINANCIAL TIMES)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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