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フジロックもサマソニも終わって恒例の夏フェスシーズンはひと段落。日本のコンサートビジネスにとってこの夏はどうだったのか気になるところですが、世界のコンサートビジネスはまだまだ成長しているようですよ。

世界最大のイベント興行会社「ライブ・ネイション」(Live Nation Entertainment)が第2四半期の決算を発表しました。Q2 (4ー6月)の売上高は前年同期比8.3%増の16億8000万ドル、純利益は5810万ドルと前年同期の770万ドルから大幅に拡大しました。営業利益は9.5%増の1億5990万ドルでした。

ライブ・ネイションの大幅黒字の要因は、世界的の伸びているコンサートビジネスでの成功国際市場への拡大、それと買収戦略によるものです。またコンサートビジネスを総合的にプロデュースし収益化へ結びつけるライブ・ネイションの長期的戦略が、結果を出していることも成長につながっています

ライブ・ネイションで最大の収益ソースであるコンサート運営事業は、前年同期比10.9%増の売上高12億ドルとなりました。

ライブ・ネイションのチケット事業である、全米最大のチケット販売会社「チケットマスター」(Ticketmaster)の売上は前年同期比2.7%増の3億3780万ドル、純利益は前年同期比8.7%増の7760万ドルでした。

ライブ・ネイションによれば、コンサートの動員数は前年同期比8%増で1530万人、Q2のチケット販売数は2.2%増加し3600万枚に拡大しました。ライブ・ネイションは今年度のコンサート動員数は二桁成長を予測しています。特に音楽フェスの動員数を20%以上増加させ、世界15カ国の音楽フェス67個において合計動員数40億人以上を目指しています。

スポンサーシップ&広告事業の売上高は前年同期比16.2%増で7100万ドルでした。

近年ライブ・ネイションが最も力をいれている分野はエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)です。ライブ・ネイションはこの分野でのビジネスを強化するため、ここ数年に渡りSFX EntertainmentなどEDMプロモーター数社を買収してきました。その結果現在では米国とヨーロッパで17の人気EDMフェスを運営し、2500万人以上の動員数を獲得しています。

ライブ・ネイションは現代の音楽ビジネスを象徴する企業の一つだと言えるのではないでしょうか? コンサートビジネス、チケットビジネス、スポンサーシップ・ブランディングビジネスなど、音楽販売以外で最も収益性の高い事業を一手に手がけます。

面白いのは、ライブ・ネイションのやり方とは違ったサービスを音楽ファンに提供しようとするスタートアップが数多く現れている音楽シーンの現状です。例えばチケット販売の分野。日本で例えるなら、ぴあに挑むスタートアップが現れるようなイメージです。ライブ・ネイションのような巨大企業が存在しながらも、スタートアップやベンチャー企業がテクノロジーを駆使してチャンスを掴むため新しいサービスを作り出す。こんな環境がビジネス側でも起きているからこそ、アメリカやヨーロッパの音楽シーンではデジタルやテクノロジーの普及が早く、音楽ファンにより高い音楽体験を提供できるのだと思います。サービスの競争環境が海外だけでなく一日でも早く日本の音楽シーンでも見られるようになって行って欲しいと願っています。

ソース
Live Nation Entertainment Reports Second Quarter 2013 Financial Results

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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