嬉しい事例。2013年上半期での人気曲の一つ、ダフト・パンクの「Get Lucky」は、音楽サービスで未だに人気が継続しています。

世界的に音楽ファンや音楽業界の注目を集める音楽ストリーミングサービス「スポティファイ」(Spotify)で、ダフト・パンクの「Get Lucky」が再生数1億回を突破しました。

スポティファイのデスクトップアプリに表示される人気トラックの再生回数を見ると、「Get Lucky」の再生カウントは104,768,829回と表示され、1億回のマイルストーンを突破したことが分かります。(アルバムバージョンとラジオバージョンの両方が表示されていますが、おそらくカウントは両方の合計)

daftpunk

「Get Lucky」は4月にリリースされた際、スポティファイは同社の歴史上一日で最もストリーミング再生された曲になったことを明らかにしています。5月の分析ではリリース後の1週間で600万回、1ヶ月で2550万回ストリーミング再生されたと言われています。今回のマイルストーン達成から考えると、5月以降3ヶ月で1億回に到達したことから「Get Lucky」の人気はリリース後も衰えることなく再生し続けていることを証明しています。

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この持続性がスポティファイ最大の魅力ですよね。スポティファイの大きな強みは、「定額制」でも「無限のカタログ」でもなく、「いつでもどこでも音楽が聴ける」ことなんです。確かに定額制で膨大な楽曲カタログがあることで、音楽視聴が便利になると思います。でも、それよりも音楽が聴きたい時に聴ける「音楽へのアクセス」をスポティファイは無料で提供してくれているんです。だから、ダフト・パンクが話題になるたびに「お、ダフト・パンクが熱い!」と注目度が上がりみんなが聴きたくなる度に、誰もがスポティファイのプレイボタンを押して「Get Lucky」を再生するようになります。リスナーの行動心理を考えてサービスが設計されています。

思った時に聴きたい曲が聴けるサービスがスポティファイであって、スポティファイはフリーミアムモデルのパワーを具現化できている、まだ数少ないリスナー中心の音楽サービスです。「聴きたい」と思った時に使えるサービスが有料でしかない、30秒しか聴けなければ、せっかく上がった音楽熱も一気に冷めてしまいます。これはアーティストや楽曲の良し悪しではなく、音楽サービスや音楽業界がどれだけリスナーを考えて設計しているかの問題だと思いますし、今後音楽ビジネスが解決しなければならない大きな課題です。「音楽へのアクセス」「無料」「フル視聴」といった新しい考え方とサービスの実現力の違いが、スポティファイが世界的に支持されて、注目されている理由だと僕は思います。

 

あくまで推測ですが、「Get Lucky」からの売上は?

あくまで参考までですが、ダフト・パンクがスポティファイから「Get Lucky」のストリーミング再生でどのくらい収益をあげているのかを推測してみます。音楽業界ではスポティファイのロイヤリティ支払いは1ストリーミング再生辺り0.4セントと言われています。レーベルやスポティファイの取り分などを差し引いて考えると、ダフト・パンクの「Get Lucky」からの売上は41907531.6ドルになる計算です。あくまで推測なので、規模感として捉えてください。よろしくお願いします。

「Get Lucky」はまたYouTubeでの再生回数も1億回を超えています。4月18日に公開された動画は、現在再生回数が111,640,426回(執筆時8月22日)と、こちらでも人気が継続しています。

 

リアルな世界での「Get Lucky」は、米国の音楽市場で8月15日の時点で売上枚数は240万枚(ニールセンSoundScan調べ)、英国では6月28日に売上100万枚を達成、わずか69日でミリオンセールスを達成しています。

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どれだけ音楽をリリース後も聴いてもらえるか、情報サイクルの早くなった現代においては、音楽ビジネスの大きな課題ですね。ダフト・パンクの人気は、話題化を促す巧みなプロモーション戦略と、スポティファイやYouTubeのような音楽ストリーミングサービスの存在が良い方向に影響しあって最大化しているように感じます。音楽のサイクルを引き延ばす流れを生み出すスポティファイが、今後も同じような事例を作ってくれることに期待したいです。

皆さんはどう思いますか?

 

 

ソース

Daft Punk’s ‘Get Lucky’ hits 100m streams apiece on Spotify and YouTube(8/21 Musically)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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