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カナダでツアーをする場合はご注意下さい。

カナダ政府は、海外のアーティストがカナダでライブをする際の規制を変更し、バーやレストラン経営者、ブッキング・エージェントやプロモーターにライブ・パフォーマンス許可申請用のアプリケーション・フィーとして各ミュージシャンおよびバンドクルー(マネージャー、音響担当、技術者など)一人につきに「275ドル」を徴収することを発表しました。

この申請料は、各ミュージシャンおよびバンドクルーが入国の際に労働許可申請に支払う150ドルとは別の料金になります。

Further improvements to the Temporary Foreign Worker Program(発表資料)

この追加申請料は、カナダ国民の雇用を保護するために作られた「Labour Market Opinion」(LMO)規制の一部で、カナダの新しい税金政策になります。新しい規制は7月31日から実施されています。

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この法律では、バーやカフェなどのような場所で海外ミュージシャンが演奏する場合でも、その店の経営者が275ドルを演奏者分支払わなければいけない義務が課せられます。

特に大きな影響を受けそうなのが、新人タレントに機会をあたえてくれる、小規模の会場です。

一方でカナダ国内には、海外ミュージシャンのビジネスのために、カナダ国民の税金を使うべきではないという意見もあります。またすでにドリンク販売などで十分な収益を確保しているライブ会場などでは、地元のカナダ人ミュージシャンを起用するなどしたりしているようです。

今回の新プログラムの免除対象になっているのは、「コンサートホール」、「音楽フェスティバル」、「シアター」(演劇系)、「コメディクラブ」、「ショッピングモール」、「スポーツアリーナ」、「カジノ」だそうです。

予想通り、多くのミュージシャンや音楽関係者はこの規制に反対しています。特に今回の法令実施にあたりカナダ政府は事前に通達をしておらず、突然発表を行いました。従って多くの音楽関係者は、新規制への準備をする時間を確保できず、追加料金を支払わなければいけない状態に追い込まれているそうです。

すでにChange.orgではこの法令に反対する請願活動が開始しています。またFacebookグループも立ち上がり、参加者は新規制に反対を表明しています。

海外のライブ事情に精通されている方から詳細な情報を頂ければ、嬉しいです。

 

ソース
Foreign Musicians Touring in Canadian Live Venues Face New Application Fee(8/30 Billboard.biz)
Foreign Musician Fee Fracas: It’s not the end of the world(8/29 Gigcity)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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