(Cc) Max and Miliano

音楽ストリーミングサービス「Grooveshark」は、世界最大の音楽出版企業Sony/ATV Publishingとライセンス契約を結び、楽曲カタログを追加しました。Groovesharkはソニーミュージック、ユニバーサルミュージック、ワーナーミュージックなど多くのレコード会社や出版社に著作権違法と契約違反で訴えられて、裁判で争ってきました。Sony/ATVも訴訟相手の一社でしたがこの度両社は和解し、GroovesharkはSony/ATVから配信ライセンスを獲得しました。

sony:atv

Groovesharkは7月には音楽出版のEMI Music Publishingと合意し、カタログのストリーミング配信を開始しました。

トラブル続きの音楽ストリーミング「Grooveshark」、EMIの出版事業会社と配信ライセンス契約で合意

Grooveshark upload

Groovesharkはユーザーが個々に所有している音楽ファイルをプラットフォームにアップロードできるシステムを利用する音楽ストリーミングサービスです。著作権に保護されている作品も勝手にアップロードできてしまうことから、音楽業界からはGroovesharkは違法サービスと見られています。

またGroovesharkは海賊コピーを配信する有害なサイトとして、グーグルからも目をつけられ、インスタント検索などでGroovesharkが表示されないように制限をされています。

Google、インスタント検索とオートコンプリートから音楽サービス「Grooveshark」を除外

調査会社Informaの調べによればSony/ATVは2012年度の音楽市場で約30%の売上シェアを占める世界最大の音楽出版社です。7月にGroovesharkが契約したEMI Music Publishingは約20%の売上シェアを占める世界第2位の音楽出版社で、これによりGroovesharkは世界のトップ2の音楽出版社とライセンス契約に合意したことになります。

しかしGroovesharkは以前としてユニバーサルミュージックやワーナーミュージックと著作権違法と契約違法の訴訟で争いを続けています。またグーグルの検閲問題など、音楽業界さらにはIT業界との間に解決しなければならない問題がまだまだあります。

なによりも一番の問題はGroovesharkのような著作権を無視したサービスが存在するため、音楽サービスや音楽ストリーミングサービスのビジネスモデルに対する間違った認識が伝わってしまうことだと思います。ユーザーにとっては、タダで聞ければ何のサービスを使っていても問題だとは思わないでしょう。ですが、実際にGroovesharkで使われる音楽が著作権違法の楽曲だとしたら、今後レコード会社や業界団体がGroovesharkをストップするためにどのような手を使ってでもプレッシャーをかけてくるでしょう。そのようなわずか一部のサービスが起こす問題のおかげで、音楽サービスが著作権の問題でレコード会社と争っている悪いイメージを残してほしくないですね。よほどの軌道修正をしない限りGroovesharkは長くは生き残れないでしょう。

 

ソース
Grooveshark settles with Sony / ATV Music Publishing as it struggles toward legitimacy(8/28 The Verge)
Grooveshark Signs With Sony, Steps Over that Wavy ‘Piracy’ Line(8/28 TorrentFreak)

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執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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