聴き放題を実現するサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスの「Spotify」(スポティファイ)は、レッド・ツェッペリンの楽曲を独占的に配信することを発表しました。

モバイル向けに無料サービスを開始することを発表したSpotifyは、レッド・ツェッペリンのカタログを音楽ストリーミングサービスの中で唯一配信する企業になります。

スクリーンショット 2013-12-12 20.52.01

Spotifyは毎日レッド・ツェッペリンのアルバム2枚を順に配信し、12月15日(日)にはバンドのフルカタログがSpotify上で楽しめるようになります。

Spotifyアカウントをお持ちの方は下のボタンをクリックすると、レッド・ツェッペリンのアップデートがフォローできます。

Spotify、モバイル向け音楽視聴を無料にする新戦略を発表 –タブレットはフリーミアムに、スマホには「Spotify Shuffle」

レッド・ツェッペリンは、iTunesストアへの楽曲提供も長年控えるほど、デジタル音楽サービスへ音楽を開放することを拒否してきた大物アーティストの一組でした。しかし、最近Spotifyではメタリカやピンク・フロイド、イーグルスなどこれまで楽曲のストリーミング配信を拒否してきたアーティストが次々と参加し、カタログを開放する傾向が強まっていました。

続報:音楽ストリーミングSpotifyにピンク・フロイドの全カタログが登場!

イーグルスがSpotifyで楽曲配信を開始!続々と大物アーティストが定額制音楽ストリーミングサービスでカタログを解放

アーティストの独占配信は、アテンションを集める短期的戦略と見られますが、開放されたカタログがユーザーとサービスの長期に渡るエンゲージメントを強化するためのキッカケとしていくことが、もっと重要であり、そこにSpotifyの狙いがあると言えます。またレッド・ツェッペリンのようなアーティストがSpotifyで配信を開始することによって、昔のロックファンへアプローチすることが可能になり、またバンドを知らない層は音楽を見つける「ミュージックディスカバリー」のツールとしてSpotifyを利用していける点も長期的な視野では重要になります。

Spotifyはまだ海外の話で日本では開始されていませんが、このような契約は音楽好きにとっては嬉しい心遣いです。

日本でSpotifyが始まっても、楽曲の配信を拒否する大物アーティストがでてくるかもしれません。しかし、もしかしたらレッド・ツェッペリンのようにストリーミングサービスにおけるメリットとビジョンを共感できるようになれば、徐々に配信を解禁するアーティストが出てくる可能性も大いに考えられます。

ソース
Rock legends Led Zeppelin arrive on Spotify!(12/11 Spotify blog)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
取材、記事執筆、リサーチ、音楽ビジネスやストリーミング、海外PRに関するコンサルティングのご相談は、お問い合わせからご連絡を宜しくお願い致します。

  • プロフィール
  • お問い合わせ