まだ噂ですが。。。

米ソニーが、グループ傘下のオーディオ認識テクノロジー会社「Gracenote」を売却する手続きを進めていると、事情に詳しい関係者が明らかにしています。

ブルームバーグによれば、ソニーはGracenote売却に向けて投資銀行Qatalyst Partnersを雇用し、売却先を模索し始めたようです。売却交渉はまだ初期段階だそうですが、早ければ年内にも交渉はまとまる可能性があるとのことです。

関係者によれば、Gracenoteの年間売上は1億〜2億ドルほどとのこと。2008年にソニーはGracenoteを当時のレートで2億6000万ドルで買収しました。

Gracenoteは、独自の音楽認識テクノロジーを企業の音楽サービス向けに提供しています。またGracenoteは1億3000万曲以上と世界最大規模の音楽メタデータを保有する音楽データベース企業でもあります。

Gracenoteを利用する有名企業はアップルで、音楽認識ソフトウェアがiTunesに導入されています。例えばユーザーがCDをリッピングしiTunesにデータを移行した時(iTunes Matchesのマッチ&スキャン機能)、楽曲データを認識させるためにGracenoteの音楽認識技術が使われています。その他ではGracenoteは、スマホで音楽情報を検索できるモバイルアプリ「Shazam」の音楽認識技術に使われています。さらにマイクロソフトの「Xbox Music」やAmazonの「Amazon Cloud Player」、グーグルの「Google Music」にも使われている、音楽テクノロジー界ではデファクト・スタンダードといってもいい存在です。

もちろんGracenoteの技術はソニーのスマホやテレビにも採用されています。事情に詳しい人間の1人は、ソニーはGracenoteの株式の一部を保有し続ける可能性もあるとしています。

ソース
Sony Said to Explore Sale of Gracenote Audio-Recognition Service(12/18 Bloomberg)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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