*文末に追記しました(12月28日6:00am)
違法ダウンロードの対処にも、こういうやり方が出来るんですね
世界を代表するイギリスのヘヴィメタルバンド「アイアン・メイデン」は、世界中から楽曲が違法ダウンロードされ、その対処に困っていたそうです。
そこで彼らは、違法ダウンロードした人を控訴するかわりに、最も違法ダウンロードが行われている国へ行き、そのエリアでライブを行うことにしました。
これまでネットでしか聴けなかったバンドがライブに来るということで、音楽ファンは大喜び、ライブはソールドアウトし、バンドはグッズ販売などから大きな収益を上げたそうです。
特にアイアン・メイデンが違法ダウンロードされていたのは南米で、バンドは主にこれらの国で重点的にライブ活動をしてきました。その結果、サンパウロではライブはソールドアウト、その日のライブだけでバンドは258万ドルの収益を上げたそうです。
アイアン・メイデンは増やしたのはライブからの収益だけではありません。バンドは同時にファン層を拡大することにも成功しました。
アイアン・メイデンはBitTorrentネットワーク上の口コミなどを分析する、イギリスの音楽データ解析会社のMusicmetric(ミュージックメトリック)にコンサルを依頼し、どのように対応するべきかを検討していきました。分析の結果、Musicmetricはバンドのソーシャル上のファン層やトラフィックがブラジル、ベネズエラ、メキシコ、コロンビア、チリなど中南米から多く集まっていることを見つけました。
その結果を踏まえてバンドはライブを敢行、上記のようなライブでの成功以外にもアイアン・メイデンはファン層を拡大することにも成功します。Musicmetricによれば、2012年5月31日までの12ヶ月の間にアイアン・メイデンはソーシャルメディア上で新たに310万人以上のファンを獲得、2013年10月にワールドツアーが終了した時には、500万人以上のファンを獲得するまでに人気が拡大しました。
https://www.facebook.com/ironmaiden
https://twitter.com/ironmaiden
http://www.youtube.com/user/IronMaidenVEVO
違法ダウンロードをしている人を敵とみなすか、ファンと見なすか、物の見方ではありますが、冷静にソーシャル上のファン層やトラフィックを分析するだけで、考えても見なかった結果が現れますね。アイアン・メイデンの場合は違法ダウンロードのトラフィックの後ろには、強いファンのサポートがあったことをデータ分析で把握できました。
これからの音楽マーケティングやアーティストの活動にも、このようなデータ活用を組み込んでいく人達が行く残っていくのだろうなと感じました。アーティストをサポートするレコード会社やマネジメントの人達もデータを分析できて活用出来る人が必要になっていきますね。
*追記:
ソース元のCITE WORLDに追記された情報によれば、アイアン・メイデンはMusicmetricと協力してツアーを行ったわけではなく、今回のデータはMusicmetricが独自に行なった測定結果に基づくものです。バンドがMusicmetricのデータを確認したかどうかは不明です。誤解をお招きしもうしわけありませんでした。
ソース
Iron Maiden makes millions of dollars by playing live for pirates (12/25 The Verge)
How Iron Maiden found its worst music pirates — then went and played for them(12/20 Cite World)