20140617-090022-32422564.jpg

テクノロジーを使った音楽の楽しみ方はライブの世界にまで一般的になってきました。

世界でライブやフェスで多忙なスケジュールをこなすフー・ファイターズが、最後にヴァージニア州リッチモンドを訪れたのは、なんと16年前の1998年。人気のバンドが次にいつライブに来るのかツアーのたびにチェックしていましたが、長い間スルーされ続けてきました。

そこで地元のコピーライター、アンドリュー・ゴールディンが、資金調達ツールCrowdhosterを使ってライブの資金をクラウドファンディングで集めるキャンペーンをオーガナイズしました。今年4月に始まったキャンペーンの目標は、50ドルのチケットを1400枚売ること。シンプルですよね。

https://foofightersrichmond.crowdhoster.com/help-bring-the-foo-fighters-back-to-richmond-virginia

ただし一番の問題で最も重要な点、それは資金が集まってもバンドが来るかどうか、全くわからないことでした。

ゴールディンはキャンペーンの目的として

僕たちは、スケジュールにも入っていないフー・ファイターズのチケットを売って、彼らがこの街に来てライブをしてくれると願っています。もしバンドが来てくれたら、僕らは思いっきり楽しむよ。もし来なければ、お金は返金します。1セントまでね。だからチケットを買ってみんなにこのことを知らせてくれ。ロックの歴史を作ろう

と書いています。

キャンペーンでは、内容を説明するYouTube動画も作成。

FooFightersRVA01

動画ではリッチモンドの様々な住人が登場します。

FooFightersRVA04

1400枚のチケットを購入してもらうことが条件。

FooFightersRVA03

最終的にはバンドが来てライブをやるか、全額返金か。悪くない条件ですよね (バンドがプレイするとは確信が全くありませんが)。

FooFightersRVA02

詳しくは、「http://foofightersrichmond.crowdhosters.com」まで。

そして、このキャンペーンは6月14日に目標額の7万ドル (約700万円)の資金調達をめでたく達成しました。ここまでで終わるパターンの資金集めや署名活動は恐らく数多く存在するはずです。このキャンペーンが面白いのは、ここで終わらなかったことです。

なんとフー・ファイターズがキャンペーンにTwitterですぐさま反応、「See ya soon」(もうすぐ会おうぜ)のメッセージを街の旗と一緒にツイート、ライブを実施することを合意してくれました。

ライブがいつどこで開催されるかはまだ発表されていません。ですがキャンペーンオーガナイザーたちはすでにフー・ファイターズが所属するRCAレコードのディレクターにコンタクトを取ったそうです。

これまでアーティストがクラウドファンディング・ツールを使って活動するケースは数多く見られました。海外ならニール・ヤングアマンダ・パーマーや日本ならDJ HASEBESleepyhead Jamie (スリーピーヘッド・ジェイミー)が成功したクラウドファンディングでは有名です。

・Pono Music – Where Your Soul Rediscovers Music
・Amanda Palmer: The new RECORD, ART BOOK, and TOUR
・DJ HASEBE ☆ Makuake限定インストアルバム制作プロジェクト
・自宅を引き払い、無期限の47都道府県ライブツアーの為にキャンピングカーが必要です

ですが最近は音楽好きなファンがクラウドファンディング・ツールを使った独自のアプローチで、音楽を聴く方法やライブの方法を変え始めています。例えばAphex Twinの未発表アルバムをクラウドファンディングで配信するやり方は、これまでの音楽ビジネスのやり方では埋もれてしまう恐れのある作品を、リスナーが協力して作品化を実現したケースです。

【関連記事】
・Aphex Twinの未発表アルバムがKickstarterで購入可能に!

フー・ファイターズのケースも実現不可能と思われることも、一緒に行動することで小さな始まりが大きな成果にむすびついた結果だと思います。どれだけ熱意を持ってアイデアを推し進められるか、この流れは音楽ビジネスの「民主化」かもしれません。

ソース
Fans crowdfund an unscheduled Foo Fighters concert, and the band agrees to play (6/15 Consequence of Sound)

関連記事  ビールブランドBud LightとDiploの音楽フェスが20万本全て異なるデザイン缶で仕掛ける、体験型のブランド戦略
Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
取材依頼、寄稿記事、コンサルティングなどお仕事については「お問い合わせ」またはFacebookメッセンジャーからご連絡のほど宜しくお願い致します。

  • プロフィール
  • お問い合わせ