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日本発の動画ストリーミングサービス「TwitCasting(ツイキャス)」が、1000万ユーザーを突破しました。サービスを運営するモイ株式会社が明らかにしました。

2010年2月にリリースしたツイキャスは開始から順調にユーザーを拡大して、5年で1000万人に到達。特に2014年からは急成長、500万人ユーザーをたった一年弱で獲得した計算になります。

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女子高生や若者などスマートフォンに親和性の高いユーザーを中心に、ツイキャス人気は拡大し、配信された動画は3月に1億5000万回を超えたばかり。

また一般ユーザーだけでなく、シンガーソングライターやアーティストの利用率も高く、さらには芸能人、政治家まで幅広い配信者、さらにブラジルを中心に海外ユーザーも拡大していることから、もはや若者だけのサービスという意味合いを超えたサービスへ成長しています。

「手軽な動画配信」を売りにするツイキャスでは、最大6人で配信できる「コラボ機能」や、ミュージックやアニメなどリスナーの気になる特定のカテゴリーをチャンネルとして提供する「チャンネル機能」があり、ユーザーの声を常に反映した、動画配信のコミュニケーションをより楽しく、使いやすくする機能を開発している点が、支持獲得につながっていると言えます。

またツイキャス独自の機能として、アーティストのライブ配信やイベントの配信の高画質配信や、スマホでの視聴を妨げる速度制限に対応した規制回線モードも提供するなど、ライブ配信とモバイル視聴の多様化にも対応してきています。

メジャーレーベルも公式チャンネルを開設

2014年にはユニバーサルミュージックがレコードレーベルとして(さらに企業初)初めてツイキャスに公式チャンネルを開設。所属アーティストのライブ配信のほか、アーティストのサポーターになることもできる取り組みを開始しました。

またユニバーサル所属アーティストが1週間生配信を行う「TwitCasting Music Week」も実施するなど、メインストリートの音楽業界からも注目されています。

昨年アマゾンがTwitchを買収、今年に入ってTwitterがPeriscopeを買収し、SXSW(サウスバイ・サウスウェスト)ではMeerkatが大きく注目されるなど、「動画ライブストリーミング」がにわかに盛り上がっています。ライブストリーミングとは違うが、Snapchatも海外では若者の間で急成長中で、メディアやアーティストもこれらのサービスを使って動画配信を独自のスタイルで実施しています。

SkrillexとDiploのユニットJack Uがアルバムリリース・パーティをTwitchでライブストリーミングしたり、ケイティ・ペリーや、Vineの人気アーティスト、ショーン・メンデス(Shawn Mendes)がPeriscopeを使い始めるなど、動画アプリを使ったコンテンツ発信、コミュニケーションの流れがモバイル時代の消費者のコンテンツ消費と合致していると見ることができます。

ウェブのコミュニケーションも変革期に来ていると思います。リアルタイムの動画はテキストや画像では伝えにくい情報をも補うこともできるし、より配信者の生の声を聞けるだけあって、編集されたコンテンツとは違った生のコンテンツが人の共感を集められることを、ツイキャスのユーザー1000万人は証明してくれたように感じます。

ソース
ライブ配信サービス「ツイキャス」登録ユーザー1,000万人を突破 (モイ株式会社)
h/t @kennishimura


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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