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音楽PVといえば、横持ちのYouTube…だったはず。

若者に人気のチャットアプリ「Snapchat」はこれまでアーティストの最新動画を先行公開するなど、アーティストやクリエイター達の音楽プロモーションの領域へ徐々に進出してきました。

そのSnapchatが音楽プロモーションで新たな可能性を業界に提示しようとしていると、ビジネスメディアのフォーブスが伝えています。なんと、アーティストと作品の制作から配信までコラボレーションし始めました。

ロサンゼルスを拠点にするインディーズ系のエレクトロニック・アーティスト、Goldroomことジョシュ・レッグとSnapchatは、最新EP「It’s Like You Never Went Away」に収録される4曲分の動画を4日連続独占配信する、Snapchat初となる作品リリースを実現しました。

Goldroomは、シングル「Embrace」を含む4曲の動画を4日に渡って毎日Snapchat上で配信。ユーザーはYouTubeなどネット上で動画が公開される前に、いち早くアプリ内で作品を楽しむことができます。

このコラボレーションで最もユニークな点は、Snapchatのインターフェースに沿うように、「縦型」に動画が撮影されていることです。動画制作にはSnapchatチームも参加して、撮影にアドバイスしています。

これまでスマートフォンで動画を見る場合、YouTubeなどがそうであるように、横に傾けた「ポートレート」モードで見ることが暗黙の了解となっていました。

Snapchatで毎日送受信される数百万のショートムービーや写真は、アプリを縦にしたまま試聴します。GoldroomのSnapchat動画は、ユーザーの視聴体験を変えることなく、作品の新しい制作と配信の方法を開拓する意味で、大きなヒントになりそうです。

もう一つ、GoldroomのSnapchat動画がユニークな点は、4つの動画が全て一つのストーリーとしてつながっていることです。Snapchatユーザーは動画4本を全て見ることで、アーティストが伝えたい世界観や動画の内容を初めて知ることができる、17分のショートフィルム形式な動画配信を実現しています。

Goldroomの動画4作品はSnapchatのSnap Channel内で配信されました。今年2月にはマドンナが新シングル「Living For Love」の動画をSnapchatで独占配信する、同サービス初の試みが行われました。またSnapchatはDiploやAfrojackなど、世界的に支持されるEDMプロデューサーの間で人気のアプリで、最新アルバムやツアーの情報をファンに伝えるプロモーションツールとして活用しています。

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この配信方法は、ユーザーとコンテンツのエンゲージメントを重視するコミュニケーションアプリのSnapchatらしいアプローチを象徴していると感じました。Snapchatが今後も音楽の配信や、アーティストとのコラボレーションを計画しているかは定かではありませんが、今回の事例を踏まえてその可能性は拡がったと言っても過言ではありません。ここにアーティストや作品だけでなくレーベルやイベントとのコラボや、ブランドの音楽マーケティングも新しい形のコミュニケーションの方法として入ってきそうで、アプリによる音楽マーケティングは今年後半盛り上がりを見せるのではと期待を込めて注目していきたいです。
ソース
This Musician Is Releasing His New Album On Snapchat, A First For The Platform(Forbes)
New on Snapchat, Music Videos(NYTimes.com)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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