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アップルが運営する定額制音楽ストリーミングサービス「Apple Music」がついにAndroidで登場しました。

Android版Apple Musicは現在Apple Musicが利用可能な国全てでGoogle Play Storeからダウンロード開始され、3カ月の無料トライアル期間が付いてきます。Apple Musicが提供される国で唯一今回Android版がリリースされていないのは、中国です。

iOS版と同じように、キュレーションされたプレイリスト、Beats 1ラジオ、Connect、iTunesで購入したライブラリーの再生、視聴履歴を解析してお薦めされる「For You」や新作をまとめたWhat’s Newなどが楽しめます。

今回公開されたのは、Apple Musicのベータ版で、音楽PVの再生ができない、ファミリープラン(月額1480円)へのアップグレードには、設定画面をMacまたはiOSデバイス上で行わなければならないなど、制限があります。

アップルはAndroid版Apple Musicのデザインに、Androidのデザイン哲学「Material Design」を取り込み、Androidユーザーが違和感なくアプリを理解して使えるようにデザインしています。例えばシェアボタンやメニューの表示は、Androidのアプリと同じ位置とルックスが採用され、Androidユーザー目線でのアプリ開発をこれまで行ってきたことが読み取れます。

このデザインについてアップルのインターネット・ソフトウェアおよびサービス担当上級副社長エディ・キュー(Eddy Cue)はTechCrunchに対して次のように答えています。

我々にとって、人に音楽を聴いてもらうことで、ある意味アーティストの方々を代表できることを名誉と考えています。ですので、私たちは可能な限り大勢の人にこの体験を届けたいと思っています。もし実行するなら、私たちは一部のパーツだけでなく、完全なバージョンを用意し提供します。私たちは全ての人に完全な音楽体験を知ってもらい、これまで聴いたこのないBeats 1などを体験してほしいと強く思っていますし、私はみなさんが絶対に好きになると感じています。ヒューマンキュレーションの要素が詰まったFor Youや、素晴らしい音楽レコメンデーションの体験も同じです。

アップルがAndroid版Apple Musicで目指すのは、Androidユーザーに完全なApple Musicから音楽体験を届けることであれば、今後恐らくChromecastへの対応や、タブレットさらにはAndroid wearへの最適化も視野に入っていることが予想されます。特にAndroidが優勢な市場でApple Musicが拡げることができれば、定額制音楽ストリーミング市場でのユーザー獲得につながり後発のアップルでも優位なポジションに立つことができることになります。

定額制音楽ストリーミングの分野は、音楽がいつでもどこでも聴ける新しい音楽体験がスマホユーザーを中心に広がり、世界で今最も勢いのある音楽ビジネスとして注目されています。アップルの他には、SpotifyやDeezer、アマゾン、さらにはグーグルも独自の定額制音楽配信「Google Play Music」やYouTubeの定額版「YouTube Red」を展開して、ユーザー獲得を図っている競争の激しい市場です。

アップルCEOのティム・クックは先月Apple Musicがローンチ後に1500万人のユーザーと650万人の有料会員を獲得したと発言しています。一方でSpotifyは7500万人のユーザーと2000万人以上の有料会員をこれまで獲得しています。

アップルの定額制音楽配信『Apple Music』、有料会員650万人を獲得。ティム・クックCEOが発表

ソース
Apple Music Comes To Android As An Emissary(TechCrunch)
Apple Music for Android beta now available on Google Play(Appleinsider)
Apple Music @ Google Play Store


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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