ジャスティン・ビーバーの最新アルバム「Purpose」が、定額制音楽配信サービスの「Spotify」がこれまで記録したアルバムリリース初週での再生記録をグローバルそして米国で更新し、新記録を達成しました。
Billboardによれば、「Purpose」のストリーミング再生回数はリリースから7日間で、グローバルでは2億500万再生、米国では7700万再生を記録。これは今年に入ってThe Weekndが「Beauty Behind The Madness」で記録した9000万再生を大きく上回る、Spotifyの最高記録です。
同じ日にリリースされた、ワン・ダイレクションの「Made in the A.M.」もSpotifyで好調なスタートを切ります。グローバルでのストリーミング再生回数は1億600万再生で、The Weekndの記録は超えることができました。
21歳のジャスティン・ビーバーのカムバック作とも言われる「Purpose」は、全米アルバム・チャートで1位デビューを飾っています。
先行シングル「What Do You Mean?」もSpotifyでリリースと同時に強烈なインパクトを残していきます。Spotifyで配信を開始してわずか5日で2100万ストリーミング再生をグローバルで記録。
それまでシングルリリース初週ストリーミング再生記録だった、ワン・ダイレクションの「Drag Me Down」(2000万再生)を5日で超えて、Spotify記録を作っています。
ジャスティン・ビーバーの記録破りは、Spotifyとの共同でのプロモーション戦略で実現させています。
Mashableによると、「What Do You Mean?」はSpotifyでの配信に合わせて、Spotifyのプラットフォーム内でも、リスナーにリーチしやすい効果的なプロモーションを実施しています。例えば、Spotifyがキュレーションしたプレイリストの中でも、8月に開催されたMTV主催のアワードショー「2015 MTV ビデオ・ミュージック・アワード」専門のプレイリストに追加されたことを皮切りに、Spotifyがキュレーションする「Today’s Top His」や「New Music Friday」など、誰もがアクセスできるプレイリストを通じて曲をPRしています。また「What Do You Mean?」は、Spotifyの「New Release」セクションやニュースレターでも紹介されるなどプレイリスト以外のリーチも取り入れています。
またジャスティン・ビーバーも自身のSpotifyプロフィールページ上で、独自のプレイリストを制作してファンに公開、この中からも同曲を聴くことができる仕掛けを作っています。
「Purpose」のプロモーションでは、Spotifyの他にもYouTube、そしてソーシャルメディアを通じたプロモーションに加えて、VMAでのポジティブなパフォーマンスやファン限定のライブでファンに対する音楽活動を勢力的をこなしています。その活動の中でも、特にファンがいつでも彼の音楽が聴けるようにSpotifyと協力しながらリーチを拡大させるプロモーション戦略は、ストリーミング時代の音楽プロモーションの典型的な成功例と言えます。ファンがリーチしやすいプレイリストを効果的に出していくSpotify連携型のこの戦略は、これから日本でもアーティストとストリーミングサービスが協力して実践されていく形の一つとして広がり進化していくのではないかと期待が高まります。
ソース
Justin Bieber breaks major Spotify record with ‘What Do You Mean?’(Mashable)
Justin Bieber Breaks Spotify Week 1 Streaming Record(Billboard)
image by Disney | ABC Television Group via Flickr