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アップルとBeatsの次を狙うのか?

Twitterがヘッドフォン会社「Muzik」に投資したことが明らかになりました。

ソーシャル機能とスマホ連携を内蔵した、世界初の「スマートヘッドフォン」を開発するヘッドフォンメーカーMuzikは、2012年の創業以来1800万ドル(約21億円)の資金を調達してきました。Recodeのレポートによれば、投資ラウンドの中でTwitterは同社の投資部門Twitter Venturesを通じて出資しており、これはTwitterにとって初のハードウェア・スタートアップへの投資です。

Muzikが開発するワイヤレスヘッドフォンは、ヘッドフォン外部をスワイプしたりタップすることで、曲の再生をコントロールしたり、視聴する曲をSNSでシェアできる歌詞タマイズ可能なボタンがビルトインされています。

またMuzikヘッドフォンはスマートフォンと連携して、リスナーの聴いている音楽情報や時間、グーグル・ストリートビューからキャプチャした位置情報を、SNSで共有して音楽体験を拡張する機能も提供できるといった、デバイスの域を超える体験が実現できる次世代のヘッドフォンとして注目されています。

Muzikのヘッドフォンは今年5月に299ドルで発売予定となっており、ターゲットとするユーザー層はハイエンドな製品好きとなっているため、アップルのBeatsヘッドフォンとも直接的な競合となります。

TwitterとMuzik両者はTwitterの技術がヘッドフォンに導入されると伝えられています。TwitterがMuzikでデフォルトのSNSとなるとは言われていません。現在もMuzikのサイトではFacebookやSpotifyなど他社サービスの共有機能も紹介されています(Spotifyの共有は近日追加予定)。

Twitterはこれまで音楽を活用したサービスやアプリを開発しては失敗に終わり、「Twitter Music」(#Music)アプリは期待やリソースに反して実績を残せずに終了しています。

音楽の分野でのTwitterの更なる試みは、音楽業界で影響力のあるビジネスパーソンの1人、リオ・コーエン(Lyor Cohen)の「300 Entertainment」と提携して、Twitterのビッグデータを活用したアーティスト育成や発掘をサポートする取り組みを始めています。また米国の公式音楽チャートBillboardとは、TwitterのリアルタイムTweetsを解析したソーシャル音楽チャート「Billboard Twitter Real Timeチャート」を始めました。

これらの取り組みがある一方で、Twitter上で根強い人気を保ち続けているのが、ハッシュタグ「#NowPlaying」に代表される「今聴いてる曲」情報の共有です。今聴いている曲をTwitterで共有する機能は、SpotifyやApple Music、日本のAWAなど定額制音楽サービスでは常識とも言える機能になっています。

MuzikとTwitterの狙いは、今聴いている曲をヘッドフォンを通じて手軽に行う音楽体験。音楽情報をソーシャルメディアで共有できる新しいハードウェアの開発が進めば、ハードウェアメーカーもこれまでと違いアプリ開発や、ユーザー体験や使いやすさを追求したデザイン設計など、全く異なる視点での製品開発が注目されて、音質向上や素材が中心だったヘッドフォンの分野にもイノベーションを起こせるかもしれません。今聴いている曲が誰でももっと手軽に共有できるようになれば音楽情報のデータもどんどんネットに蓄積されていくことを考えれば、ユーザー同士の音楽共有体験は今後もさらに価値が高まりそうな勢いを感じます。

ソース
Twitter Invests in Muzik Connected Headphone Company(Re/code)
Muzik

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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