米国で最大ユーザー数を抱えるラジオ型音楽配信の大手「Pandora」に34億ドル(約3600億円)の買収案が提示された模様です。ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えています。

買収を提案したのは、衛星ラジオの大手「Sirius XM」を運営するLiberty Media。Pandoraの株式を1株当たり15ドルで取得する、Pandora株主には魅力的なオファーを提示しました。

しかしPandoraはこの提案を却下したとのことです。

却下した理由はWSJによるとPandoraは1株約20ドルでの交渉を望んでいたことや、アマゾンやアップルなどより大きな企業との買収を目指したい意向が、CEOに返り咲いた創業者のティム・ウェスターグレン(Tim Westergren)を含む経営陣にあるようです。

関連記事はこちら:PandoraがCEO交代を発表。定額制、海外進出を狙うラジオ型音楽ストリーミングの経営陣に何が起きたのか? | All Digital Music

アクティブユーザー7000万人以上を持つPandoraは、リスナーの好みを解析して曲を再生する「ラジオ型」と呼ばれる音楽配信サービスを提供してきました。ですが、定額制音楽配信との競争が激化、さらに広告収入だけに集中する事業形態とリスナーの伸び悩みに対する不透明さが株主間で増して、Pandoraはこれまでの戦略を変える必要に直面しています。

今年2月にPandoraが売却先を探しているという噂が流れ、音楽業界に衝撃を与えました。しかしその後もPandoraは売却への具体的な動きを見せていません。

世界最大の「ラジオ型」音楽ストリーミングのPandoraが身売りか? | All Digital Music

定額制で運営するSpotifyやTIDAL、Apple Music、Google Play Musicは、有料会員を増やしていくビジネスモデルですが、Pandoraは対抗できる定額制ビジネスを持っていないのが現状です。

この状況を打破するためにPandoraはRdioやTicketflyなど音楽サービスを買収し始め、他の収益化の道を探り始めましたが、現在では定額制の音楽サービスを新たに開発しSpotifyやApple Musicと競争を挑むつもりのようです。

Apple Musicは開始当初「Pandoraキラー」とも言われるほど、音楽業界ではPandoraはスタンダートとも言える存在でしたが、一年近くがたった今そのポジションは既に崩れ去ろうとしています。これだけ音楽ビジネスの流れが早くなったということですね。

ソース
Pandora May Wish it Hadn’t Turned Down That Takeover Offer (7/21 Fortune)

関連記事  おおっ! あの「Pandora」が日本で人材募集中
Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
取材依頼、寄稿記事、コンサルティングなどお仕事については「お問い合わせ」またはFacebookメッセンジャーからご連絡のほど宜しくお願い致します。

  • プロフィール
  • お問い合わせ