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毎年恒例となっている、アメリカのオバマ大統領がキュレーションした夏のSpotifyプレイリストをホワイトハウスが公開しました。

昨年も公開されたオバマ大統領のSpotifyプレイリスト。今年も昼バージョン夜バージョンの二種類が公開されています。 ジャンルに関係なく幅広い音楽が好きなオバマ大統領のプレイリストの内容では、今オバマ大統領がどんなことを伝えたいか、音楽で人に語りかけたいメッセージが伝わってくるようにも感じます。

The President’s 2016 Summer Playlist: Day

The President’s 2016 Summer Playlist: Night

今年のセレクションはワシントンDCのMC、ワーレイから始まり、チャンス・ザ・ラッパー、コモン(二人はオバマ大統領と同じシカゴ出身)などヒップホップから、マイルス・デイヴィスやチャールズ・ミンガス、エスペランザ・スポルディングなどジャズレジェンド、ホワイトハウスで演奏したジャネル・モネイ、ジデーナ、サラ・バレリスなど、Pitchforkのセレクションと言われても問題ないかと思うほど多彩な楽曲で構成されています。

さらにプリンス、ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモンなど往年の名アーティストもフィーチャーされる中、ニュージーランドのジン・ウィグモアやフランスのマヌ・チャオ、ブラジルのカエターノ・ヴェローゾなど国際的アーティストも含まれるところが、オバマ大統領の文化や人と交流する意欲が表れています。

大統領もSpotifyキュレーターになれる時代です。

反対にオバマ大統領の就任式で国歌斉唱するなど親しい間柄のビヨンセの曲がプレイリストには入っていないことをワシントン・ポストが指摘しています。

ビヨンセが含まれない理由は、単純に彼女の楽曲(特に最新アルバム「Lemonade」)がSpotifyでは配信されず、ライバルの定額配信「TIDAL」のみでの配信されているからです。

TIDALを運営するのは、ビヨンセの夫でヒップホップ・アーティストのジェイ・Zですが、Spotifyで配信される「The Blueprint 3」からファレル・ウィリアムスとの共作「So Ambitious」をオバマ大統領が選んでいますね。

チャンス・ザ・ラッパーの「Acid Rain」で地元愛を表現するアプローチは、デジタル時代の大統領らしいですね。日本の政治家も、メッセージをSNSで伝えるために、アーティストや音楽テクノロジーなど音楽の力を使う人が現れると、音楽の社会性の価値観が変わりそうです。

Spotifyアカウントをお持ちの方は今年の大統領ミックスをお楽しみ下さい。

ソース
President Obama’s summertime playlists are classic, bluesy, and kinda sexy? (Vox)
Listen to President Obama’s Summer Playlist: (whitehouse.gov)
Beyoncé is not on President Obama’s summer playlist (The Washington Post)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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