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ポール・マッカートニーは、ビートルズの楽曲カタログに関する版権の再所有を求めて、ソニー傘下の音楽出版最大手ソニー/ATVをニューヨークで提訴しました。訴訟でポール・マッカートニーは確認訴訟(declaratory judgment)により、米国の著作権法の元、版権の再取得が2018年10月から正当に行われるよう要求しています。

ニューヨークの連邦地方裁判所に提出された訴状の全文はこちらでご覧いただけます。

Mccartney termination by Eriq Gardner on Scribd

ビートルズの楽曲の版権は、米国著作権法に基づき、2018年10月5日からポール・マッカートニーが再び取得することができます。ポール・マッカートニーの弁護チームは、1978年以前に作曲された作品の権利については、最初の著作権所有者が56年後に版権を取得することを可能にすると、米著作権法は記していることに触れ、1962年にレノン=マッカートニーが楽曲作りを始めているため、2018年がその56年目にあたります。

そのため、訴訟では弁護チームは権利の取得が2018年以降に延期されないように求めています。

訴状には、ポール・マッカートニーが、ジョン・レノンと共作した「イエスタデイ」「ヘイ・ジュード」「レット・イット・ビー」など、ビートルズの楽曲の版権を、1962年から1971年の間に、複数の音楽出版社に譲渡していた経緯が明らかにされています。また、1980年代にはマイケル・ジャクソンがビートルズの楽曲の版権を取得したことは、広く知られています。

マイケル・ジャクソンが当時所有していた音楽出版社ATVミュージックパブリッシングは、ソニーの音楽出版事業と合併して、現在の「ソニー/ATV」が設立された経緯があります。2016年にソニーはマイケル・ジャクソン財団から、ソニー/ATVの持ち株50%を取得し、ソニーの完全子会社化に成功しています。

訴状によれば、2008年10月からポール・マッカートニーは楽曲の版権再取得を巡り、ソニー/ATVに契約解除を求めて法的文書による手続きを行ってきたことも明らかになっています。

訴訟を受けて、ソニー/ATVは声明文をメディア向けに発表しています。

ソニー/ATVは、大切なレノン=マッカートニーの楽曲カタログに関して、長期に渡り相互に有意義な関係を築いたサー・ポール・マッカートニーに最大の敬意を払っています。私たちはサー・ポール・マッカートニーおよびジョン・レノン財団と綿密に数十年に渡り協力し、カタログの長期的な価値を保護、維持、宣伝してきました。私たちは彼らが、この不必要で時期尚早と感じる訴訟を起こしたことに失望しています

ポール・マッカートニーがニューヨークでソニー/ATVを訴えた背景には、デュラン・デュランが、2016年に英国で著作権の再取得を巡って起こした同様の訴訟で負けたことが、影響しています。

ソース
Paul McCartney Sues Sony to Regain Rights to Beatles Songs (Hollywood Reporter)
Paul McCartney Sues Sony Over Beatles Music (Rolling Stone)
image: cäleidosc ▲ via Flickr

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執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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