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これも音楽ストリーミングの影響か…
アップルは音楽ダウンロードで圧倒的な売上を誇るiTunesミュージックストアの過去最大となる大規模な変更を検討していると、Billboardが報じています。

アップルの内部事情に詳しい関係者情報によると

Billboardは、2013年9月に大きな期待と共に始まった無料の音楽サービス「iTunes Radio」から音楽購入ボタンをクリックしたのは、リスナーのわずか1-2%のみと悲惨な結果になっており、同時にiTunesの音楽ダウンロードからの売上も15%以上減少していると、複数のレコード会社の関係者からの情報を伝えています。

現在世界の音楽ビジネスシーンでは、YouTubeやSpotify、Pandoraなど音楽ストリーミングサービスの急成長が市場を圧巻しています。そのためアップルはレコード会社への影響力も低下していることを感じています。

あるインディーズレーベルによればiTunesからの収益は2012年には70%以上だったが、現在は50%ほどに低下したと答えています。

そのためアップルは音楽戦略の転換を検討し始めていると言われています。その1つは、過去に頑な拒否してきたオンデマンド型の音楽ストリーミングサービスです。もう1つは、Android端末向けのiTunesストアアプリの提供です。

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アップルがどのようにiTunesを再編するのか、どのようなビジネスになるのか、いつ頃発表されるのか、などは全く分かっていません。

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2011年にアップルはCDから音楽データをクラウド上に保存していつでも聴くことができる「iTunes Match」サービスを年間25ドルで開始しました。そして昨年9月には「iTunes Radio」を投入することで、音楽ストリーミングサービスへの領域へ緩やかな転換を図ってきました。

しかし、現在iTunes Matchの利用者はわずか100万人ほどにとどまっていると、あるレコード会社の関係者は述べており、またiTunes MatchもiTunesのダウンロード販売低下を抑えるほど効果を表していません。

音楽ストリーミング人気への適応に加え、もう1つアップルにとっての大きな障害はグーグルです。アップルにとってAndroidのシェア増大はモバイル領域で絶対に見逃す訳にはいかない問題です。この状況を変えるためにもアップルはiTunesストアをAndroidプラットフォームでも開放するのではと噂されています。

急速に変化するデジタル音楽の領域でiTunesを今後どのように位置づけるかはアップルにとっての優先課題です。音楽ストリーミングへのシフト、そしてAndroidでのiTunesストア開放が実現すれば、iTunesの戦略転換においても大きな影響を及ぼすと予想されます。Asymcoのレポートによれば、2013年度iTunesストアの売上は前年比25%増加し161億ドルに上りましたが、iTunesミュージックストアは総収益に対する売上の割合も、消費者の総出費額も減少したと報告されています。

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アップルは開発者向けのイベント「WWDC」を6月2日に開催することを発表しました。去年アップルはWWDCの場で「iTunes Radio」を発表しています(実際のリリースは9月)。

一方でグーグルも開発者向けイベント「Google I/O」を6月25日、26日に開催すると発表しています。昨年のGoogle I/Oでは、定額制音楽ストリーミングサービス「Google Play Music All Access」が発表されました。

現時点で新しい音楽サービスが発表されるのかどうかは分かりませんが、iTunesミュージックストアのAndroidアプリ、またはiTunes Radioの改善や海外展開に関する発表が6月に出る可能性はあるかもしれません。

ソース
Underwhelming Start to iTunes Radio Lights Fire Under Apple(4/9 Billboard)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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