Michael-Jackson-Hologram-Performs-at-Billboard-Music-Awards-01

再び。Twitterさすが!

4月19日、アメリカ・ラスベガスで「Billboard Music Awards 2014」が開催されました。

ジェニファー・ロペスやピットブル、ロビン・シック、マイリー・サイラス、イマジン・ドラゴンズらのいわゆる「定番」のパフォーマンスに加えて、イベント最大のハイライトはなんといっても、マイケル・ジャクソンがホログラムで披露した完成度の高い復活パフォーマンスでした。

パフォーマンスもリアルとバーチャルの融合であったアワードは、メディアもリアルとバーチャルの融合になってきています。

アワードはABCで全国中継されたことに加えて、米Yahoo!ではレッドカーペットをライブ配信、さらにアワードとYahoo! MusicのTwitterアカウントがイベントステージ裏情報をコンスタントに発信して、ここ数年海外では定着しているテレビでもソーシャルでも楽しめる音楽イベントを演出していました。

アワードの公式Twitterアカウント「@OfficialBBMAs」、ハッシュタグ「#BBMAs」、またはTwitterの音楽アカウント「@TwitterMusic」で振り返ることができます。

今回Twitter社が発表したツイートの内容は、

アワードに関するツイートが540万件以上、ツイートが表示された回数が2億4820万回
(Overall, there were more than 5.4 million Tweets about the show, seen more than 248.2 million times.)

でした。

そして、今年のアワードで一番注目を集めたのは、マイケル・ジャクソンの「ホログラム」パフォーマンスでした。Twitterでもこの歴史的パフォーマンスに関連したツイートを世界規模でトラッキングしていましたよ。

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このブログでも過去に何度か紹介していますが、今回もTwitter社はビジュアリゼーション・エンジンCartoDBを活用して世界中で呟かれたリアルタイムTweetを可視化できるマップを公開しています。

この動画をいつも見ると、日本のメディアやレコード会社にも大きなヒントが隠れていると思うのです。それは、このマイケルについて世界の人が語っている様子を動画で見ていると、マイケルに関心ある人なら誰でも思っている共感の度合いがリアルタイムで見え、いい意味での「ノイズ」=話題性を作ってくれるプラットフォームとしてTwitterは最適だということです。例えば「マイケルがすごい」とか「マイケル好き」「新作最高」という感情が世界中のTwitterユーザー同士でその瞬間に拡散できること。これはよく考えると、例えばテレビのような2時間番組といった枠組みでは絶対に実現できないコミュニケーションです。テレビや時間に縛られることのないコミュニケーションを意識することも、今後は重要だと改めて思いました。

またツイートを見た人が、アワードに関心を持ったり、YouTubeで動画を見たり、iTunesでダウンロードしたりする行動に繋がる可能性も拡散から生まれます。このツイートはTwitterだけではSNSのコンテンツだけで終わってしまいます。ですが、テレビでオンエアされるパフォーマンスやアワード、中継と連動させる情報発信をデザインできれば、今回のマイケルのようにテレビオンエアの前後にも、テレビを見た瞬間にも感情表現を拡散して、その盛り上がりを伝えることが可能になります。シンプルな組み合わせですが、日本の音楽ビジネスでも採用できるユーザーを楽しませる仕掛けではないでしょうか?

人に伝えたいことが伝わったり、深い説明に依存しないコミュニケーションで人を幸せにしてくれることを大事にして音楽を見ていたいと、個人的に最近思いました。

ではマイケルのホログラムが世界に広がる様子を時間軸でご覧ください。

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6:00pmの様子。

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8:00pmの様子。アワード開始の時間です。だんだんとアメリカ東海岸が明るくなってきました。

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9:00pmの様子。もう情報の拡散が盛り上がりすぎて地図が見えません。

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9:25pm。マイケル登場!!!アメリカ全土のみならず南米全土も明く輝いています。

世界が動く様子はこちらでご覧ください

Twitter社は過去にも音楽やスポーツイベントで、リアルタイム・ツイートが広がる様子が見れる世界地図を公開してきました。

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アワードでは、パフォーマーやアーティストがライブ中にお互いをお祝いするメッセージを送り合っているツイートが数多く投稿されました。そしてそのメッセージを見たフォロワーがRTしたりコメントを投稿したり、Twitterらしく普段では見ることの出来ないオープンなコミュニケーションを実現しています。

ソース
A look back at the Billboard Music Awards(5/20 Twitter blog)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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