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レコード好きにとっての宿命とも言えるのが、収納スペースとの共存。集めれば集めるほど収納場所が必要になるので、今の時代はデータ化してノートPCに保存しておくほうを選ぶ人も増えているのではないでしょうか。

しかし近年は、世界的にアナログレコード人気が復活していることもあって、レコード収納にこだわる人もいるはず。そのこだわりから自宅を改装してしまったのが、オーストラリアのレコードコレクター、ブラッド・ミオセビッチさん。

パースのFM局720 ABCが古いアナログレコードを売りに出しました。その数は約3万枚という膨大な数。

そのコレクションを購入したミオセビッチさんは、約9年かけて自宅を改築、全てのレコードコレクションを収納できる3階建てのカッコイイデザインの部屋を公開して、ネットで話題になっています。

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(クリックで拡大できます)

長さ300mのガラス製レコード棚は150mmのコンクリート製の壁で支えられて、螺旋階段で各階を行き来します。建築にかかった資材は、アナログレコード重量8.5トン、ガラス棚6トン、鉄3トンになりました。

レコードの並べ方はと言うと、ラジオ局のカタログ・システムにちなんで「トラック名」「アルバム名」「アーティスト名」で探せるように整理されています。

ミオセビッチさんのレコードコレクション用改築申請は基準を満たしておらず市に一度却下されましたが、デザイナーと協力して完成にまで至ったそうです。

コレクションの中にはビートルズやローリングストーンズ、デヴィッド・ボウイ、エルビス、INXS!AC/DCなどの他に、とてつもないほどレアなレコードも入っていたそうです。

彼のように家を改築することは行き過ぎかもしれませんが、レコードコレクターという人達は収納にもこだわりを持っている個性派揃いです。ですがそう簡単にレコードコレクターのコレクションって見れるものではありません。そんなことを考えていたら、アナログの世界を垣間見れる面白そうな本にネットで遭遇しました。レコードコレクターとレコード棚、アナログレコード文化を収めた一冊の写真集「Dust & Grooves」です。

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「Dust & Grooves」は、DJのジャイルス・ピーターソン、Egon、Rich Medinaなど著名なDJやアーティスト、レコードショップの店長、コレクターなどをインタビューし、アナログレコードを集める人達の生活を写真で紹介するプロジェクトの一貫です。

普段レコードコレクターは人に自分たちのコレクションを中々見せてはくれません。このプロジェクトでは、公では注目される機会の少ないアナログレコード集めの文化とその文化を継承しようとしている音楽好きを、彼らの「仕事場」ともいうべきコレクション部屋を収めた貴重な資料になるかもしれません。

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アナログレコードの影響力は計り知れませんね。

ソース
Meet The Aussie Who Built A House For His Gigantic Record Collection(5/19 Tonedeaf)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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