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定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify」が、3億5000万ドル(約420億円)の資金を新規調達に成功したと、CNBCが伝えています。

今回のラウンドで最も大きな投資を行ったのは、ゴールドマン・サックス。具体的な金額は明らかにされていません。

これによってこれまでSpotifyへの投資された額は8億8780万ドルに上ります。前回2013年に行った資金調達ラウンドでは、2億5000万ドルを集めました。

またSpotifyの企業価値は、資金調達前で80億ドルで、資産規模だけで比べると、ラジオ型のストリーミングサービスPandoraの約2倍です。

2008年にローンチしたSpotifyは、定額制音楽ストリーミングサービスとして世界最大の規模で成長を続けています。現在アクティブユーザー6000万人以上、有料会員数1500万人以上で、無料または有料でユーザーに音楽の聴き放題を提供しています。

日本では上陸が迫っていると言われているSpotifyは、世界各国のメジャーな音楽市場にすでに参入しており、現在は58カ国にまで規模を拡大し、今年はその波がさらに加速すると期待されています。

2015年はジェイ・Zが買収した「Tidal」のローンチ(正確には再ローンチ)で湧き、アップルがBeats Musicをベースにした定額制音楽ストリーミングを6月に発表すると言われてることを考えると、タイミング的にもSpotifyの資金調達は更なる成長戦略への投資と予想することができます。音楽業界を長年制覇してきた巨大勢力がいよいよ「定額制音楽ストリーミング」に参入することによって、これまで決定的な勝者が存在してこなかった市場もまた変わりそうです。そしてSpotifyには、音楽業界からこれまでに増して、その成長と今後の動向に注目が集まります。

* 1ドル=120.20円で計算

ソース
Spotify raises $350 million at $8 billion valuation: Sources(CNBC)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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