アップルは、ヒップホップアーティストのファレル・ウィリアムスやドレイク、EDMプロデューサーのデヴィッド・ゲッタといった有名アーティストを、自社が展開している無料の音楽ストリーミングサービス「iTunes Radio」に起用するための交渉を進めていると、ニューヨーク・ポストが伝えています。

またアップルは、開始が噂される定額制音楽ストリーミングサービス「Apple Music」のローンチに向けて、3カ月の無料トライアルを提供するため各レコード会社とライセンス契約の交渉を進めているとレポートは伝えています。

アップルは今月8日に始まる開発者向けカンファレンス「WWDC 2015」で、新しい定額制音楽ストリーミングサービスのお披露目と、改良されたiTunes Radioの発表を行うと言われています。

iTunes Radioは、好きなアルバムやアーティストから自動で曲をレコメンドしてくれる、無料のパーソナライズド・ラジオサービスで、2013年に開始しました。未だに日本未提供のサービスで、現在はアメリカとオーストラリアのみで提供されています。

また新しい定額制サービスは、月額10ドルのサブスクリプション型サービスで、iTunes RadioやiTunesストアと連携して音楽を楽しめると噂されています。音楽ダウンロードの売上が低下し始めた音楽産業において、アップルの音楽ビジネスのカギとなるはずの定額制サービスですが、SpotifyやDeezerといった先行する数多くのサービスの直接的な競争相手になると見られています。アップルは、より多くのユーザーを有料サービスに獲得するために、異例となる長期の無料トライアル期間を提供するほかに、有名アーティストの起用、人気のラジオDJを採用するなど、「テイストメーカー」によるキュレーションで、コンテンツに差別化をもたせようとしているように考えられます。

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ソース
Apple in talks to sign Drake as iTunes Radio guest DJ(New York Post)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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