テイラーがまたスルー。
アップルが6月30日から本格開始する定額制音楽ストリーミングサービス「Apple Music」。3カ月のフリートライアル、Androidアプリなど、音楽ファンへの入口を数多く用意してきたサービスですが、コンテンツの面ではアップルの思惑通りにはいかないようです。
テイラー・スウィフトが所属するレーベル「Big Machine Records」とアップルはBuzzfeedに対して、テイラー・スウィフトの人気アルバム「1989」はApple Musicローンチ時には配信されないことを認めました。
Big Machineのスポークスパーソンは、テイラー・スウィフトの過去の作品はApple Musicで配信すると発言しています。TidalやRdioなどSpotify以外の定額制音楽ストリーミングではすでに過去の作品は配信されています。
「1989」の配信は現在どの音楽ストリーミングでも計画されていないとBig Machineは答えています。「1989」の販売戦略として、音楽ストリーミングでの配信を拒否し続けてきたテイラー・スウィフトとBig Machineは、ダウンロードやCD販売に特化した販売を行い、500万枚近く売り上げ、大きな商業的成功を収めてきました。
テイラー・スウィフトは昨年、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事で、定額制音楽ストリーミングの無料オプションがアートの価値を下げるとして、ビジネスモデルを否定する記事を公開して音楽産業の注目を集めました。また11月にはSpotifyから全ての楽曲の配信停止を決定、最も音楽ストリーミングに否定的なアーティストの一人として有名です。
Apple Musicでは、アップルの膨大な音楽カタログやiTunesライブラリーと連携できることが大きな差別化要因の1つでした。ですが、今回のようにテイラー・スウィフトがアルバムを配信しない決定を下したということは、Apple MusicがアーティストにとってSpotifyやRdio、Tidalと何も変わらないサービスだということも言えそうです。
つまりはApple Musicが登場しても、状況は変わることは無かった。現状ではそう言えますね。世界100カ国以上でサービス展開することもAndroidでも使えることも、アーティスト的な視点からは魅力的ではなかったようです。
アーティストが配信するだけの価値を生み出せないと、今後も新しい作品が音楽ストリーミングでは聴けない状況が生まれ、ファンにとって魅力が減る流れが生まれかねません。テイラー・スウィフトの例がまさに今後のApple Musicや音楽ストリーミングサービスが改善すべき問題を示しています。
ソース
Taylor Swift’s “1989” Will Not Be On Apple Music (6/19 Buzzfeed)