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欧州で音楽ストリーミングサービスを展開する注目のスタートアップ「Spotify」は、2009年度(2009年1月1日 – 12月31日)は1666 万ポンド(約22億円)の損失を計上したとMusic Alley (@MusicAlley)がレポートしています。

Spotifyの収益は1132万ポンド(約15億1000万円)でしたが、損失は主にライセンス料が占める原価コストが1882万ポンド(約25億円)、流通コストが608,711ポンド(約8100万円)、運営コストが829万ポンド(約11億円)となり、2009年度は営業損失が1662万ポンド(約21億8456万円)、純損失1666万ポンド(約22億円)を計上しました。
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またSpotifyの分野別での収益は、広告売上が451万ポンド(約6億円)、有料メンバーからの収益が681万ポンド(約9.1億円)となっており、60%強がプレミアムメンバーのフィーとなっています。
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Spotifyは2009年度に欧州で700万ユーザーを確保し、その内250,000ユーザーが有料会員です(有料メンバー転換率3.57%)。2009年度初頭には100万人だったユーザー数は同年に7倍増加し、最近では1000万ユーザーを突破しました。(参考:10/2 ユーザー数1000万人に到達した音楽ストリーミングサービス、Spotifyのアメリカ進出への長い道のり)
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さらにSpotifyは2008年8月のサービス開始以来、400万ユーロ(約4億5377万円)をコンテンツ権利者に支払っており、その内300万ユーロ(約3億4033万円)は2010年度の8ヶ月間に支払ったとMusic Alleyに説明しています。

Business Insiderと音楽ストリーミングサービス「Rhapsody」の社長John Irwinとのインタビューによると、コンテンツ権利者は均一のロイヤリティフィーを広告モデル向けに、一方で高額なロイヤリティフィーを広告フリーの有料モデル向けに用意していますが、2つのモデルを展開するハイブリッド型サービス向けのロイヤリティフィーは現状では提供されていません。したがって、会員制サービス(サブスクリプション型)を展開し始めると同時に、企業は広告モデルの有無に関係なく高額なロイヤリティフィーの支払いが要求される仕組みになっています。

その結果、Spotifyは700万ユーザー分の高額なロイヤリティフィーを支払いながら、わずか250000ユーザーから支払いを受け取っている現状です。

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ハイライトをまとめてみました。

– 収益は1132万ポンド(約15億1000万円)
– 広告収入は451万ポンド(約6億円) 40%弱
– 有料メンバーからの収入は681万ポンド(約9億1000万円) 60%強

– 原価コストは1882万ポンド(約25億円)
– 流通コストは608,711ポンド(約8100万円
– 運営コストは829万ポンド(約11億円)

– 営業損失は1662万ポンド(約21億8456万円)
– 純損失は1666万ポンド(約22億円)

今回の発表はSpotifyの大きな損失と、将来に不安を募るビジネスモデルであることが明らかになりました。新たな資金調達? まずは有料メンバーの増加が現状打破の第一歩でしょう。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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