みなさんはマイケル・ロバートソン (@mp3michael)という起業家をご存知でしょうか? ロバートソン氏はインターネット音楽の黎明期、『ナップスター』による『MP3』での音楽共有が広まった1998年ごろより、「mp3.com」などオンライン音楽サービスや「Lindows」などITサービス企業を立ち上げてきたシリアル・アントレプレナー(連続起業家)です。
多くの企業を設立したロバートソン氏の特徴の1つは、法廷闘争です。ほぼ大半のケースにおいて企業から起訴され散々な結果を迎えるという、運命を送ってきています(mp3tunesは現在も闘争中)。それでも巨人ゴリアテ(業界大手)に幾度も挑戦するダビデのごとく、不変の音楽業界の中で消費者に新たな価値観とインターネット音楽技術の可能性を示唆し続けている起業家です。
そのロバートソン氏がこの度新たに音楽サービスのスタートアップを立ち上げました。「DAR.fm」は好きなインターネットラジオ番組を録音でき、クラウド上に保存し再生することができるサービスです。DAR.fm (digital audio recorder)には600のラジオ局と数千の番組が視聴でき、無料版では2GBのストレージ容量が提供され最大100時間の番組を保存できる。
このサービスをロバートソン氏は法的に違反していないと説明する。2008年のDVR(デジタルビデオレコーダー)をめぐる著作権裁判でに米ケーブル会社ケーブルビジョンが勝訴した判決を引用し、同サービスも著作権侵害にはならないと述べている。
今回のサービスはラジオ番組をクラウド上に保存し再生可能にすることが、Radioshiftなど他社サービスとの差別化になります。現在は無償かつ広告無しで公開されているサービスにて、将来的に家電やモバイル機器向けにサービス対応を充実させ、広告など収益化の道を探るとロバートソン氏はインタビューで説明します。
音楽業界は今でも大きなビジネスであり、アイデア、人材とテクノロジーしだいでユーザーが喜ぶ新たなサービスを実現することができます。ロバートソン氏のように優れた洞察力と技術応用能力を兼ね備えた、消費者目線を持つ起業家は応援したくなります。