Microsoftは、ロサンゼルスで開催中のE3カンファレンスで、新しい音楽サービス『Xbox Music』を発表、Xbox 360やWindows Phone, Win OS 8搭載PCで展開することをで発表しました。具体的なリリース日は発表されていませんが、新しいXbox Musicは今秋リリースが予定されます。
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これにより2006年にアップルiPodの対抗馬として打ち出した音楽サービス『Zune』ブランドは消えることとなります。E3のキーノートではZuneに関する説明はありませんでしたが、MicrosoftのPR担当者メリッサ・スチュワートによれば、Zuneブランドは消滅すると認めました。スチュワートによれば、Zune Musicユーザーは、Xbox Musicサービスで過去に作成したプレイリストにアクセスできるなど次期サービスへの移行が可能だそうです。
2006年に発表されたZuneは、音楽プレーヤーとデジタル音楽ストア(Zune Marketplace)で構成される、iPod / iTunesと競争するデジタル音楽サービスになるはずでした。しかし大々的なマーケティングを行ったにも関わらず、iPod/iTunesのような成功には至らず、海外進出もないまま、マイクロソフトは2009年に発表した新型プレーヤー「Zune HD」を最後に音楽プレーヤーの開発を止めています。マイクロソフトはその後Xbox 360やWindows PhoneにZuneの機能を組み込み音楽・動画コンテンツ配信サービスとして統合を進めてきました。
SXSWで行ったZuneのゲリラマーケティングで逮捕者が出て地元警察に撤去される大量のポスター。。。
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ということで、『Xbox Music』とは何??
残念ながらE3の場では詳細な内容の説明は行われませんでした。ですが、海外メディアが独自に得た情報から幾つかの興味深い特徴や機能を伝えています。主な特徴をピックアップしてまとめてみました。なおこれらはマイクロソフト公式発表ではありませんので、予めご了承ください。
マイクロソフトによれば、Xbox Musicはマイクロソフトが注力するエンターテイメントサービス(映画、TV番組、音楽、そしてゲーム)の一部で、秋に正式リリースを予定しているそうです。
– 3000万曲以上と他社サービスを凌駕 (Zune Musicが提供してきたカタログ数は約1100万曲, iTunesとAmazon MP3は2000万曲以上と主張)
– Xbox 360, Windows Phone 8, Windows 8搭載PCに対応
– Friends Group機能:おそらく、Spotifyと同様に、サービス内で友人同士が聴いた曲や見た動画を共有できる機能。
– Smart DJ機能:お薦めの音楽を見つけてくれるプレイリストを作成できる機能。
– Related music:聴いた音楽のアーティストやジャンルに合わせて楽曲をレコメンドしてくれる
– Xbox Music Pass: Zuneサービスユーザーが利用できた定額制音楽サービス『Zune Music Pass』は引き続き継続される模様。
– DLNA互換性:PCや端末からXbox 360にコンテンツをストリーミングする場合、DNLAまたはXboxの新機能「Play On Xbox」(Marketplaceコンテンツ向け)が利用できます。
– SkyDrive統合機能: Xbox Music発表に伴い、現在はドキュメントと写真のみに対応するSky Driveが、音楽ファイルにも対応する模様。
母数となるWindowsとXboxというプラットフォームはすごく魅力的だと思います。さらに考えてみると、この新しいコンテンツサービスが人気を得るために、最も重要な課題の一つは、どの他社プラットフォームと組めるか、だと思います。マイクロソフトプラットフォーム(Windows OS 8, Windows Phone)以外で利用ができるのか、AndroidやiOSなど他社プラットフォームに対応するのか、FacebookやTwitterなどSNSとの連携は?など現在の消費者の嗜好に適した柔軟な姿勢を示さない限り、Spotify, Netflix, Huluなど現在人気を有するコンテンツ配信サービスと競争することは不可能でしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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