Spotifyを活用し世界中の音楽ファンが参加できるプロモーションの事例をご紹介。
グラミー賞最優秀新人賞を受賞した、ジャスティン・バーノンを中心とするフォークバンド『ボン・イヴェール』が、欧米で人気の音楽ストリーミングサービスSpotifyと組んでリミックスコンテスト『Bon Iver, Bon Iver: Stems Project』を開催しています。2011年にリリースした名作「Bon Iver」からの楽曲を締切は8月29日迄。
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http://itunes.apple.com/jp/album/bon-iver/id442864998 “>「ボン・イヴェール」iTunesリンク
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参加者はコンテストサイトから、アルバム収録曲10曲の音源 (ボーカル、ギター、ドラムなど)をセレクトしリミックスして投稿。コンテスト締切後にボン・イヴェールのサイトやSpotifyなどで一般投票が行われる。そして投票結果に基づきリミックス10曲を選出、優秀作品には賞金1000ドルに加え、Spotify限定配信のボン・イヴェール名義によるリミックスアルバムに収録され、世界に向けてストリーミング配信される予定です。
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『Bon Iver, Bon Iver: Stems Project』はバンドにとって初めてのリミックスコンテストであり、完成作品は初めてのリミックス・アルバムとなる。
コンテスト参加方法はこちらです。参加は世界中の誰でも可能です。
1. コンテストホストのIndaba Musicに登録(Facebookアカウントでも可)
2. 音源をダウンロード
3. リミックスを制作し、サイトへアップロード
4. 8月30日からボン・イヴェール、Spotify、Indaba Musicサイト、Facebookで投票開始、
5. 9月の第三週目に優秀作品を発表、バンドによる審査の後、Spotify限定のリミックスアルバムに収録され、音楽ストリーミング配信される。
リミックスコンテストはこれまでも数多くのアーティストが実施してきましたし、参加者の作品がリリースに収録されるチャンスを提供することも珍しくありません。
しかし、今回のボン・イヴェールのようにグラミー賞を受賞し、PitchforkやQ, Stereogumが選ぶベストアルバムの名誉を手にした名作をリミックスの対象にすることは、珍しいことではないでしょうか。さらに投稿から投票まで一般が参加できるため、透明性を確保しながらファンが制作プロセスに参加できるコンテストは、稀有だと感じます。それがグラミー賞受賞音楽家になればなおさらです。
オープンな姿勢でファンが楽しむために音楽を解放するスタンスはとても共感します。
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今回も利用されている音楽コラボサービス『Indaba Music』では、過去にもフォスター・ザ・ピープルやKimbra、アッシャーなど様々なアーティストがコンテストを実施してきた実績があり、今回のコンテストでまた大物アーティストの参加実績を手にしました。
参加リミキサーにとっても、多くの人に聴いてもらえるチャンスがもらえ、世界1500万人以上のユーザー数を誇るSpotifyにてバンド名義のアルバムで世界配信される可能性があることを考えると、世界を目指し創造性を刺激する大きなモチベーションになるかと思います。
試験的だと思いますが、Spotifyと組むプロモーションは今後も出てくることは十分に考えられます。当たり前になりがちな音楽キャンペーンも、クリエイティブな発想 (音楽ファンが集まるプラットフォームSpotify利用)とプロセス(視聴可、一般投票)のオープンな組み合わせで参加者が体験したことのない時間を演出することで、話題作りとファンの参加してみたいという関与度の醸成を生み出せるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。