Ifpi

音楽業界団体IFPI(International Federation of Phonogram and Videogram Producers, 国際レコード・ビデオ製作者連盟が発表した2012年のレポートによれば、全世界での音楽売上は0.3%増加し165億ドルに達しました。この数字はナップスターが登場した1999年以来、初めての成長になります。音楽ビジネスにとっては久しぶりに嬉しいニュースです!

ピーク時だった1999年の380億ドルには全く及びもしませんが、それでも13年ぶりに音楽売上が世界的に成長したことは音楽ビジネス全体にとって大きなプラスです。2012年の世界的な売上は165億ドルで、2011年の164億ドルからわずかながらプラス成長を達成しました。

レポートまとめ
・2012年度世界売上:165億ドル(前年比0.3%増)
・デジタル音楽売上:56億ドル(前年比9%増)
・フィジカル音楽売上:5億ドル減
・デジタル・トラックダウンロード:23億トラック(前年比8%増)
・デジタルアルバムダウンロード:2億700万枚(前年比17%)

成長の要因にはデジタル音楽の伸びがCDなどフィジカル売上の低迷を上回る結果となったことが挙げられます。デジタル音楽の売上は9%増加し56億ドルとなり、全体の売上34%にまで拡大しました。過去6ヶ月にデジタル音楽サービスを利用した消費者はネットユーザーの62%という調査結果が出るなど(16-24歳では81%)、デジタル音楽消費は世界的にはメインストリートとなっています。

CDやDVDなどフィジカル市場は世界的に5億ドルの損失という結果になっています。ですが米国と北米以外の音楽市場では未だにフィジカルが大きな売上ソースになっています。

デジタル音楽の成長要因には、
1)iTunesの国際市場への進出と、
2)SpotifyやDeezerなどサブスクリプション型音楽サービスの大きな成長が挙げられます。

iTunesは米国ではフラットになりつつありますが、世界119ヶ国にサービスを広げ、今月初めには250億曲ダウンロードに達しました。iTunesなどダウンロード販売は2012年に12%成長しデジタル売上の70%以上を占めます。

Subscriptionservice

SpotifyやDeezerなどサブスクリプション型サービスはデジタル売上全体の10%以上を占めるほどまでに大きく成長しました。サブスクリプション型サービスの有料会員数は2012年に44%成長して2000万人に達したとIFPIはレポートしています。

「初めは誰もがデジタルが音楽を殺すと思っていた。今ではデジタルは音楽を救っている」
ソニー・ミュージック国際事業トップのエドガー・バーガー(Edgar Berger)

その他では興行売上は9.2%増で、全体売上では2007年の3%から6%へと成長しました。
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2012年のアルバム売り上げでは、アデルの「21」は全世界で830万枚を売上げ、成長に大きく寄与しました。またテイラー・スウィフトの「Red」(520万枚)やワン・ダイレクションのアルバム2枚(900万枚)が世界的に大きく成功を収めたことも成長につながりました。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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