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英国で20年以上も活躍しているインディーズ・エレクトロニクス系レーベル「Ninja Tune」が、廃盤となったアナログレコードを購入できるクラウドファンディング型サイト「Beat Delete」を立ち上げました。

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2011年に起きたロンドン暴動の際に、ソニーの倉庫が炎上したことで、数多くのレコードレーベルは貴重なアナログレコードやCDが燃やされてしまいました。再プレスするコストも無いインディーズレーベルは世界中の熱心なファンに届けたい音楽を永遠に失ってしまいました。

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そこでNinja Tuneは、最小のコストで音楽を本当に欲している人へと届ける仕組みを実現しました。それがクラウドファンディング型の音楽サイト「Beat Delete」です。

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Ninja Tuneの考えに共感したDomino RecordsやBeggars Groupなどインディースレーベルが賛同し参加しています。

参加レーベル
Accidental
Ninja Tune
Beggars
Big Dada
Brainfeeder
Cat Skills
Domino
Sunday Best
Tru Thoughts

Beat Deleteではファンが欲しい廃盤アナログを購入し、一定数に達したところで初めてプレスにかけられる仕組み。つまり欲しいレコードも注文数が少なければ、手元に届くことはないという仕組みです。

これによってレーベルは無駄なアナログをプレスするコストを避けられ、欲しいと思ってくれるファンの分だけ音楽を届けることができます。

Beat Deleteではレーベルが値段と最低オーダー数を設定できます。ファンは欲しいアナログの購入ボタンをクリックしますが、オーダー数が条件に達するまではカードにチャージされることはありません。 サイトでは例えばKing Geedorahの「Take Me To Your Leader」は12ユーロに設定されており、現在注文が166枚で達成率219%になっています。

Beat Deleteはロンドン暴動の被害にあったレーベルだけが対象ではありません。小さなレーベルであれば誰でも参加が可能になっています。詳細を知りたいかた、参加を希望するレーベルの方は、info@beatdelete.com までメールしてみてください。

ストリーミングサービスやパーソナライズドラジオなどもありますが、人によっては特別な音楽を所有したいと思う場合もあるはずです。Spotifyでも聴けるよという人もいるかもしれませんが、アナログレコードでひっくり返して聴きたいという人もいれば、両方の人もいるはず(自分は両方)。

でも小さなレーベルにはアナログレコードを100枚や200枚単位でプレスするコストも余裕も無い、でもクラウドファンディングというアプローチであれば、従来の売り方とは違うやり方でファンに音楽を届けることが可能になります。

発想が「売る」ことよりも「音楽を届けたい」思いの方が強いから、柔軟に考えて実現できたのだと思いたいし、こういう発想の人と一緒に何かしたいなと自分も思っています。テクノロジーと音楽を組み合わせることで、出来なかったことが出来たり、知らない人同士がつながったり、新しい音楽体験がどんどん生まれていってほしいです。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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