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調査会社NPD Groupのレポートによれば、2012年に違法音楽共有サービスの利用は大きく減少したことが分かりました。2012年に違法P2Pを使って音楽をダウンロードした人数は17%減少し、その数は2100万人となりました。ピーク時の2005年には3300万人が利用していたことを考えれば減少傾向にあります。2012年に世界の音楽業界はナップスターの登場以来13年ぶりにプラス成長につながっています。
The NPD Group:Music File Sharing Declined Significantly in 2012(発表資料)
NPDの「Annual Music Study 2012」レポートによれば、違法ダウンロードされた音楽ファイル数も26%減少したことが分かり、全体的にP2Pの利用が減っていることが明らかになりました。ハードディスクからの違法データシェアリングは25%減、デジタルロッカーからの違法ダウンロードも28%減となり、違法行為自体の規模が縮小しています。
2011年に音楽を違法ダウンロードした消費者の内40%がP2Pネットワークからの違法ダウンロード量が減った又は完全に止めたと答えています。レポートは違法共有行為の減少には、無料で利用できる合法の音楽ストリーミングサービスを最も大きな理由に挙げています。昨年違法ダウンロードを止めたまたは減ったと答えた消費者の半数は、その理由に無料の音楽ストリーミングサービスを挙げています。
また、世界の音楽業界の取り組みがP2Pファイル共有サービスの停止につながったことも理由に挙げられます。そしてP2Pサービスの脆弱性(ウィルスやスパイウェア)も、有料や合法の音楽サービスへの移行を促す要因になりました。
上級副社長のロス・クラップニック氏は、「近年海賊行為に悩まされてきた音楽業界にとって、昨年は大きな前進でした。その理由の一つには、合法でライセンス許諾を受けた音楽ストリーミングサービス利用の増加が、かつてはP2Pファイル共有ダウンロードで音楽を取得していた音楽ファンの新たな音楽消費の選択肢となったことが証明されました」と説明します。
違法ダウンロード行為が減ることは、ビジネス的にもネットの世界でも良い傾向。だけどさらに重要なことは音楽リスナーにオルタナティブを提供して、継続して音楽を聴ける環境を作ってあげることが、音楽業界は大事だと思います。それには、消費者が望むフォーマットでのビジネスモデルを生み出したり、ニーズに沿った音楽シーンを構築しながら、消費者の音楽への関心と熱意を高めて行くことが、音楽リスナーを増やしていくことに繋がると思います。NPDのレポートは違法DLが減ったことを主張するだけでなく、新しい視聴体験が伸びていることを示しているように、業界内で音楽シーンを合法化し盛り上げようとする流れを推進しています。日本も立て続けに音楽サービスをローンチするだけでなく、企業やメディアが協力して、環境が変わっていることや消費者の行動が変化していることを今後示していければ、デジタル音楽の普及につながる可能性が生まれる、そうなってほしいと強く望んでいます。
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