via CNET

Beats by Dr. Dreのブランド名で世界展開する高級ヘッドフォンメーカーの「Beats Electronics」CEOで共同創業者のジミー・アイオヴィン(Jimmy Iovine)は、噂される音楽ストリーミングサービス「Daisy」を年内に開始するに当って、米国最大のモバイルキャリア「 AT&T」と提携して音楽サービスをローンチすることを目指していることが分かりました。

CNETによれば、アイオヴィンはより早い段階で多くのユーザーを獲得するため、DaisyをAT&Tのモバイルプランにバンドルすることを目指して、ここ数週間の間に大手レコード会社やAT&Tの経営陣と協議を進めていると伝えています。

情報ソースによれば、両企業のパートナーシップの内容なまだ初期段階で、もしかすれば提携に合意できずに別のモバイルキャリアと提携する可能性もあると伝えています。

BeatsとAT&Tの提携が実現すれば、将来的なBeatsの有料会員を獲得するために、AT&Tのユーザーに対して音楽サービスを無料で提供する可能性が高いと予定されます。現在議論されているのは、どの程度の音楽を無料で提供し、そのコストを誰がカバーするのか、だと言われています。

広告業界ニュースのAdAgeによれば、AT&Tは2012年米国最大の広告主で、15億9000万ドル(約1600億円)をテレビやプリント、ネット広告などに使っています。AT&Tと提携できれば、Beatsはこのマーケティング力を音楽サービスのプロモーションと有料会員の獲得に活用することができることから、モバイルキャリアとの提携は競争に勝つための必至条件になります。

via AdAge

Beatsがサービスをローンチした場合、後発のDaisyは、先行するサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスのSpotifyやDeezer、Rdioなどと競わなければなりません。また、この他にも大手IT企業のGoogleやAppleなども音楽サービスの分野に進出しているため、ますます競争が激しくなります。

CNETによれば、SpotifyもBeatsが目指すモバイルキャリアとの提携を目指していますが、まだ実現していません。実現していない理由として考えられるのは、米国内での成長速度は速いもののユーザー数が十分でないことが考えられます。一方、Beatsの場合は高級ヘッドフォンブランドとして広く浸透しており、小売店での販売実績もあります。AT&TはBeatsとの提携を、自社のデータプランと端末販売を加速させる理想的なパートナーシップと見込むのではないでしょうか?

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「Daisy」とは?

「Daisy」は、Beatsが開発中の音楽ストリーミングサービスで、昨年Beatsが買収した音楽ストリーミングサービス「MOG」とBeatsブランドを組み合わせた音楽サービスです。

Spotifyのライバル、音楽ストリーミングのMOGをDr. Dre率いる高級ヘッドフォンメーカーBeats by Dreが買収。音楽配信サービスにも高音質の時代到来?

Daisyはアルゴリズムと人力のレコメンデーション/キュレーションが組み合わさったユニークなサービスになる予定で、有名なアーティスト、DJ、音楽プロデューサーなど音楽業界トップクラスのタレントがプレイリストをキュレートするとアイオヴィンは語っています。

Daisyのチーフ・クリエイティブ・オフィサーには、DIYで有名なナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーが就任しています。またDaisy事業のCEOには、D2F支援サービスTopspinのCEOだったイアン・ロジャース(Ian Rogers、@iancrが就任しています。

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Beatsはまた創業者であるアイオヴィンと、ヒップホップの名プロデューサー、ドクター・ドレーの知名度の高さ、そして数多くのセレブやスポーツ選手のBeats愛好家によって高いブランド力を確立しています。アイオヴィンはBeatsのCEO職に加えて、大手レーベルのインタースコープ・ゲフィン・A&Mレコード(ユニバーサルミュージック傘下)の会長を務めています。

 

ドクター・ドレー率いるヘッドフォンブランドBeats by Dre、Spotifyに対抗する音楽ストリーミングサービス「Daisy」の開発に向けてワーナーミュージックのオーナーから資金を調達

 

ソース
Beats trying to launch streaming music service with AT&T(7/8 CNET)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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