アメリカで今年1月にローンチした定額制音楽ストリーミングサービス「Beats Music」が、デベロッパーが自由にアプリやウェブサービスを開発できる音楽APIをリリースしました。
Beats Musicはこれまでクローズドな環境でAPIを公開していました。音楽APIが一般のデベロッパーに開放されたことで、2000万曲以上の楽曲カタログや音楽メタデータ、アルバムアート、そしてBeats Music最大の特徴である、音楽プロフェッショナルやメディアがキュレーションしたプレイリストへアクセスが可能になります。
https://developer.beatsmusic.com/page
音楽ストリーミングサービスの分野ではSpotifyやRdioが音楽APIをデベロッパーに公開し、自由にアプリ開発ができるエコシステムを作っています。
Beats Musicは今年1月に人気ヘッドフォンブランド「Beats by Dr. Dre」を運営するBeats Electronicsがローンチした定額制音楽ストリーミングサービスです。SpotifyやPandoraとの最大の違いは、音楽のプロやメディアがセレクトしたプレイリストをサービスの核に、マシーンアルゴリズムに対して人間的な側面にフォーカスしたキュレーションを推進している点です。またBeats by Dr. Dreの知名度を活かしてアメリカ最大のモバイルキャリアAT&Tと契約し、さらにスーパーボールのテレビCMなど一般消費者をターゲットにした大規模なマーケティング・キャンペーンを展開しています。
Beats Musicは従来の音楽サービスと異なり、有料プランのみ(月額9.99ドル)を展開しています。
Beats Musicはこれまで限定的にサードパーティーへAPIを公開し、無線スピーカーブランド「Sonos」(ソノス)との連携も実現してきました。
APIを公開したことによって、今後はBeats Musicのサービスがデスクトップやモバイルの領域だけでなく、アップルが発表した自動車向けプラットフォーム「CarPlay」を活用して社内にまで広がる可能性も出てきました(CarPlayはBeats Music、Spotify, iHeartRadio, Stitcherに対応済み)。今年に入って大きな注目を集めたアップルの発表に伴って、Beats MusicのAPI公開はこれ以上にないベストなタイミングです。
ソース
Beats Music opens up, making its API public(3/7 CNET)