アメリカに拠点を置く定額制音楽ストリーミングサービスRhapsodyが、世界で有料会員数170万人以上を獲得したと発表しました。同社によれば成長率は、前年比63%と大きな飛躍となりました。
Rhapsodyは自社ブランドの定額制配信の他に、かつてファイル共有で有名だったP2PサービスNapster (ナップスター)< /strong>を海外事業として運営しています。今回の成長の大きな要因は、海外でのユーザー獲得増加でした。
2013年10月にRhapsodyは大手モバイル会社のTelefonicaとラテンアメリカ市場での音楽配信をモバイルサービスで行う契約で合意したことから、大きな有料会員の拡大へと結びつきました。
・最も成長率が高かったのはドイツ、フランス、ブラジルでした。しかし最大の市場はこれまで同様アメリカでした。
・世界的に、有料会員の視聴時間は毎週平均10時間でした。またアメリカでは有料会員の視聴時間は月間平均35時間でした。
・最も再生された曲はファレル・ウィリアムスの「Happy」、最も人気のあったアーティストはエミネムでした。
RhapsodyのライバルであるSpotifyは現在有料会員数600万人、Deezerは500万人と言われています。
ユーザー数では成長を遂げたRhapsodyですが、2013年度は売上1億4060万ドルに対して純損失1460万ドルを計上しており、利益化にはまだ届いていません。RhapsodyはSpotifyやDeezerとの競争に加えて、アップルやグーグルなどの大手IT企業の音楽ストリーミングサービス、RdioやBeats Music、そしてアメリカで2億人以上の登録者数を誇る業界最大のネットラジオPandoraとも競争しなければならない、非常に厳しい状況にいます。
CDの売上が低迷している中、音楽ストリーミングサービスやサブスクリプション型音楽サービスは、新しい収益源としてビジネス界からは高い注目を集めています。競合他社と比較すると少ない数字ですが、Rhapsodyのユーザー拡大は音楽ストリーミングサービスの分野にとっては、定額制ビジネスやモバイル戦略が通用することを音楽業界やモバイル業界、広告主らに証明する上では重要な前進です。情報を公開していくことも、新しい音楽ビジネスを一般に普及させていく上では、大事なPRですね。