4月19日に世界で開催された「レコード・ストア・デイ」。音楽好きだけでなく、音楽好きなアーティストが一緒にアナログレコードやレコードショップ、ライブ音楽を盛り上げる1日限りのイベントで、ギタリストのジャック・ホワイト世界最速でのレコードのリリースに挑戦し、見事にギネス記録を樹立しました。

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ジャック・ホワイトのリリースまでの記録は3時間55分21秒。ナッシュビルで開催されたこの取組みの流れはというと、まずジャック・ホワイトが、自身のレコードレーベルThird Man Records内にあるスタジオで、少数のファンの前で新アルバムからの新曲「Lazaretto」とB面用にエルヴィス・プレスリーの「Power of My Love」を演奏します。パフォーマンスと同時にステージ裏でアセテートをカットしマスター盤を作成、その後すぐにUnited Record Pressing工場にプレスへ回します。

 

シングルのカバーは、スタジオのライブ演奏中に撮影した写真を使っています。そしてプレス工場から届いた限定7インチを、ジャック・ホワイト自らが自身のポップアップ・ストアで販売しました。このリリースまで一連のプロセスをわずか4時間以内に行うことに成功しました。

 

レコードがプレスされる間には、レコードの到着を待ち続けるファンのために、ジャック・ホワイトがホワイト・ストライプスの曲を含むライブを披露するという粋なはからい。

この日の模様は上の動画、そしてThird Man RecordsのInstagramページでも見ることができます。

ジャック・ホワイトの新アルバム「Lazaretto」は6月10日リリース予定です。

音楽好きが音楽に敬意を払う年に一度の機会のレコード・ストア・デイ。ライブやリリースなどアーティストもいろいろな形で参加できる距離感が近い世界的なイベントになりつつあります。その中でもジャック・ホワイトのチャレンジは、大物アーティストにもかかわらず限りなくファンとの距離を縮めて、音楽に対する感謝が深まる気持ちを生み出してくれる、音楽体験の1つだと感じました。日本もアーティストがファンと一緒になる機会が増えて音楽という価値感を共感し距離感が近くなっていけば、音楽への評価や感謝する気持ちも変わるでしょう。

 

ソース
Jack White Releases World’s Fastest Record(4/19 Rolling Stone)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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