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モバイルアプリSnapchatは、画像を数秒だけ友人と共有できるという新しいコンセプトで、新しいメッセージアプリの領域を切り開きました。

これまでSnapchatは画像を友人と長時間共有できる「Story」機能をリリースしました。この機能は、ユーザーの撮った動画や画像を全ての友人と24時間だけ共有することで、1日の思い出や記録を何度でも見て共有できる、通常のSnapchatよりもエンゲージメントの深い機能でした。

しかしこの機能では、画像や動画はつながっている友人同士でしか共有できないため、グループ以上でのつながりを作ることはできません。そこでSnapchatはより多くのユーザーと体験を共有できる新機能「Our Story」を開発しました。

「Our Story」では同じ場所やイベント、ライブ会場にいるSnapchatユーザー同士が思いおもいに撮影した画像を共有できます。よりオープンで、よりコレクティブな画像・動画共有がアプリ内で可能になりました。

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そしてSnapchatは新機能を今週末20日からラスベガスで開催する、世界最大のEDMフェスティバル「Electric Daisy Carnival」(EDC)からリリースします。EDCに参加するSnapchatユーザーは撮影した画像や動画の送り先(Send to)を「our EDC Story」に指定するだけで投稿できます。投稿されたコンテンツはアプリ内で「Story」と同じように表示されます。

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そしてイベントに参加する人も、参加出来ない人も、Snapchatアプリ内で「EDCLive」アカウントを追加した人なら誰でもラスベガスの会場で撮影された写真や動画を1つの大きなストーリーとして見ることができますよ。

「Our Story」機能は、TwitterやInstagramのハッシュタグのように1つの共通するテーマに沿ったコンテンツを複数のユーザーがリアルタイムでつなぎあわせていく、パブリックなコンテンツ・シェアリングです。この機能はライブやフェスには、最も最適なツールになりそうです。10秒で消えてしまう画像に比べて、長時間何度も閲覧でき、同じ音楽に共感する多くのユーザー同士で思い出やアクティビティを共有することは、ライブ体験にさらなる楽しさを与えてくれます。

音楽フェスやライブ、スポーツイベントなどすでに熱量の高いファンが集まるイベントでならコンテンツを共有することは、イベントに参加する楽しみの1つです。ですが現状のSNSの場合、FacebookやTwitterで共通の話題で繋がるユーザーや、同じ空間にいるユーザーだけでコンテンツを共有することは難しいため、このSnapchatの新機能は音楽体験のエンゲージメントを引き上げ、音楽のイベントにおけるテクノロジー利用を促進してくれる気がします。

考えてみると、数万人を動員する音楽フェスはアプリや新サービスの反応をみれるちょっとしたテストマーケティングの場になりそうですね。もちろん音楽という文脈に沿うブランドや機能であることが大前提ですが。テクノロジーが生まれる音楽フェス。そんな楽しさがライブにあるのが当たり前になってほしい。

ソース
Snapchat Rolls Out Group-Sharing Feature for Concerts, Live Events (6/17 Mashable)
Snapchat (6/17)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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