スマホ向けの音楽デバイス「PlugAir」(プラグエア)を制作する音楽スタートアップ「Beatrobo」は、世界的に人気を集めるゲームシリーズ「アングリー・バード」開発会社であるRovio Entertainmentの日本支社ロビオ・ジャパンの前社長Antti Sonninen (アンティ・ソンニネン)がCOO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)に就任すると発表しました。
プラグエアはスマホのイヤホンジャックに指すだけで、アプリと連動して音楽コンテンツをダウンロードできる、モバイルデバイスです。これまでプラグエアはリンキン・パークのプロモーションに活用され、また日本でもTM NETWORKのツアーチケット特典、アイドリング!!!のライブ特典、「ハジ→」の「PlugAir」バージョンでのシングルリリースなどで採用されるなど、デジタルながらフィジカルの感覚が融合したコンテンツ配信デバイスとして注目されています。
アンティ・ソンニネンはRovioの日本支社Rovio Japanの代表として、事業提携やマーケティングで世界的に成長するスタートアップの成長を支えてきました。今後Beatroboはソンニネンを迎え、同社のグローバル事業の展開を本格的に開始していきます。
Beatrobo COO アンティ・ソンニネンは
Beatrobo のチームと製品に出会ったとき、彼らが「次の日本の大きな何か」を作ろうとしているのではなく、「次の世界の大きな何か」を作ろうとしている意志を強く感じました。その意志を感じた結果、Beatrobo に参加する決断をしました。
とコメントしています。
Beatroboは今年3月にローソンHMVエンタテイメントから110万ドルを調達し、PlugAirの製造、開発体制の構築を強化し始めました。
音楽を買った時、従来はCDを手にするか、デバイスにダウンロードするかのどちらかに限られてきました。PlugAirのアプローチは、デジタルの手軽さとスマホに挿す極めてアナログ的な行動がミックスされた、音楽体験と見ることができます。
音楽スタートアップはデジタルやサービス中心の場合が日本では多く、ウェブの世界を否定するつもりは毛頭ありませんが、これらの企業が音楽マーケティングやコミュニケーションの問題を解決しているかと言われれば、答えに困ってしまいます。コアな音楽ファンに響く音楽コンテンツの消費とは一体何なのだろうか。これは日本だけでなく世界の音楽シーンでの課題です。PlugAirのようなデジタルデバイスの実例に音楽業界やIT産業が触れ始めれば、デジタルの世界でも人間らしい「リアル」の体験を共有する新しいソリューションへとつながるかもしれません。
ソース
Beatrobo