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フィナンシャル・タイムズによれば、世界的に人気のソーシャル音楽共有サービスSoundCloudとメジャーレコード会社とのライセンス契約に関する交渉が失速または中止になったとレポートしています。

ユニバーサルミュージック、ソニーミュージック、ワーナーミュージックと楽曲のライセンス契約契約で交渉を進めていたSoundCloudですが、ここにきてSoundCloudの提案にレーベルが難色を示し、より魅力的な契約内容を要求していると、情報ソースの情報が伝えられています。

ユニバーサルミュージックの場合は数週間前に行き詰まり、2社間ではすでに交渉を行っていないと言われています。

SoundCloud の現状

SoundCloudは月間アクティブユーザーで1億7500万人以上を抱える、世界で最も人気の音楽サービスの一つです。

SoundCloudでは投資家やレコード会社からの収益化できるビジネスモデルを展開するようにプレッシャーがかかる中、マネタイゼーションの可能性を探ってきました。音楽再生を収入源にするためのには、レーベルや権利保有者からのライセンス取得が必要なため、SoundCloudはレコード会社と個別に交渉を進めてきました。

8月にはSoundCloudはアーティストや権利関係者へのレベニューシェアの窓口を広げるためにするために、広告オプションを企業やブランド向けに提供開始しました。すでにRed Bullや自動車ブランドのジャガーなどがパートナーとして参加しています。しかし、広告で収益化の可能性が広がったにもかかわらず、メジャーレーベル各社はSoundCloudとのライセンス契約には同意まで至っていません。

メジャーレーベルは音楽やアーティストをプロモーションしファンを獲得するために、SoundCloudの大規模なユーザー層、アクティブなコミュニティにリーチし、ソーシャル機能から生まれるバイラル性を求めています。SoundCloudには毎分12時間分のオーディオが投稿されて、その中の多くが投稿から60分以内にユーザーが視聴しています。

同時にSoundCloudには無数の著作権侵害に該当する楽曲も投稿されてきました。これらの楽曲はメジャーレーベルやインディーズレーベル、アーティストにとって、収益源の減少に当たることから、長年対処を指摘されてきました。SoundCloudは、今年に入りこれらの楽曲の削除を進めていますが、十分な成果は得られていません。

今年始めTwitterがSoundCloudの買収を進めていましたが、収益確保の見込み、そして著作権違反に対する訴訟を懸念して交渉から手を引いたと言われています。

ソース
SoundCloud hits an impasse with major record labels (10/9 Financial Times)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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