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ワン・ダイレクションが最新アルバム「Four」とSpotifyを連動させた、音楽マーケティング・キャンペーンを実行しています。誰でも参加できるTwitterと、無料からでも使えるSpotifyなので、ファンが気軽に楽しめて高いインタラクションにつながっている取り組みです。

定額制音楽サーヴィスSpotifyでのストリーミング再生回数が10億回を超えたばかりのワン・ダイレクションは、28日4pmにアーティスト公式のSpotifyプレイリスト「#H1DDENinSpotify」を公開し、Twitterでファンにハッシュタグ「#H1DDENinSpotify」とアルバム・タイトル「#Four」をトレンド入りを目指して、RTを呼びかけます。

ファンに参加を呼びかけ、TwitterでSpotifyプレイリストと同じ名前のハッシュタグ「#H1DDENinSpotify」をRTさせることで、Twitter上でのイヴェント的なインタラクションをファンとアーティストが体験しながら、Spotifyプレイリストへの関心も同時に高めることができます。

Twitterのトレント入りも達成。

ここでトレンド入りさせてくれたファンに、ワン・ダイレクションから1つ目のプレゼントとして「Spotifyで「Y567FN7089」を検索してね」と謎のコードのメッセージが投稿されます。

2つ目のミステリーコードとして「1NJDH05MK」もプレゼント。

29日には、間違い探しのツイートでファンとのインタラクションを煽ります。

ファンはハッシュタグ付きで回答を投稿していきます。30分後にワン・ダイレクションからまたシークレット・コード「2NBEHCDUY」が発信されました。

これらの3つのコード「Y567FN7089」「1NJDH05MK」「2NBEHCDUY」は、それぞれがSpotifyアーティストプロフィールを指しており、各アカウントには、ワン・ダイレクションのメンバーが新アルバム「Four」について語っている声が聞けるオーディオファイルが用意されています。ファンはSpotifyにログインしてそれぞれのコードを検索しないことにはオーディオファイルにはたどり着くことはできません。

この音楽マーケティングもTwitterのコンテストをSpotifyと組み合わせたものですが、21,485,000人以上という強いTwitterフォロワーと、10億再生以上を記録したSpotifyと、それぞれ高いインタラクションをすでに実現しているサーヴィスを連携させたことがヒントだと思います。音楽を聞いてもらうことはもちろん、声を聞いてもらうこともリンクを流すだけなら実現可能です。しかし、気軽な方法で楽しいとファンに感じてもらうことが実現できれば、コンテンツへの愛着も変わってきます。例えば、自分のRTしたコンテストの結果で公開されたコンテンツは普通に投稿されたコンテンツよりも、さらにパーソナルになるはず。

音楽マーケティング手法の一つの終着点は、どれだけパーソナルな体験を実現してアーティストとのつながりを強くするか、なのかもしれません。SpotifyやTwitterを使ったマーケティングは、TVCMとはまた違う効果を生み出します。従ってワン・ダイレクション規模のアーティストでなくても実行は可能なことは、新人アーティストや予算に限りがある音楽プロモーションにとっても一つの選択肢になります。

ソース
One Direction #H1DDENinSpotify campaign sends fans searching for streaming snippets(11/28 Musically)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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