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ファイル共有サーヴィス「BitTorrent」が、2014年で最も『合法的に』ダウンロードされたアーティストを発表しました。

BitTorrentではアーティストが直接的にファンへ作品をデータで配信・販売できるプラットフォーム「BitTorrent Bundle」を提供しています。圧縮することなく、巨大なデータとしてリリースできるBitTorrent Bundleは、音楽だけでなく、映画やアートなどさまざまな形式で活用されます。2013年のリリースからこれまでに2万組以上のクリエイターがBitTorrentを利用し、1億7000万人以上の熱心な音楽ファンに作品を届けてきました。

2014年だけでBitTorrent Bundleを活用したプロジェクトは1,543件に上り、その中にはアカデミー賞にノミネートされた映画監督や人気アーティストも含まれます。

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さらに注目したいのが、2014年だけでBitTorrent Bundleで作品を購入したファンの数は6,500万人以上に上り、その中の89%が毎月プロジェクトのアップデートを求めてBitTorrentにアクセスしています。

最もダウンロードされたのは、8年ぶりにソロ・アルバムをリリースしたレディオヘッドのフロントマン、トム・ヨークの「 Tomorrow’s Modern Boxes」でした。このアルバムは世界で初めてBitTorrent Bundleの課金システムを活用してリリースされたアルバムで、6ドルの価格を支払えば楽曲が全曲ダウンロードできる販売方法でした。BitTorrent Bundleの課金システムでは、アーティストに売上の90%が分配されるため、他社よりも多く収益を上げることも可能です。

BitTorrent Bundleを使って最もダウンロードされたアーティストのトップ10は以下の通り。

1. トム・ヨーク
2. Diplo
3. Gramatik
4. デ・ラ・ソウル
5. Zeds Dead
6. G-Eazy
7. Ace Hood
8. Mad Decent
9. ヴァイナル・ウィリアム
10. ハンドレッド・ウォーターズ

現在BitTorrent Bundleのペイゲイトを活用しているプロジェクトでは、Diplo、Skrillex、Asking Alexandriaなどの人気アーティストが進めています。

今年11月には、アゼリア・バンクスが最新アルバム「Broke With Expensive Taste」リリースに合わせて、シングル[Chasing Time」のリミックスコンテストを開催し、ファンにはBitTorrent Bundleを使いトラックをシェアする、コマーシャルな活用法の実現しました。「Chasing TIme」のトラックは130万回ダウンロードされ、1,500人以上のファンやプロデューサーがリミックスを投稿しました。

この他にも「Cut/Copy」「Phuture Doom」「Beats Antique」などのグループなどが採用するなど、500万以上のトランスメディア型プロジェクトが進行しています。

BitTorrent Bundleの人気はリリース以降広がり続け、さまざまな側面から注目を集めています。2014年にはG-Eazyやデ・ラ・ソウル、Rhan Hemsworthなどのアーティストがデジタル・ボックス・セットをリリース、1200万回以上がダウンロードされました。また「OWSLA」「Mad Decent」「Fool’s Gold」など人気レーベルもBitTorrent Dunbleを使い、コンピレーションをリリースし、250万回以上がダウンロードされました。

音楽の配信方法やマネタイゼーションが従来の方法から変化している現在は、アーティストやレーベルも新しい方法やアプローチを積極活用していくことに迫られます。それはどのレベルのアーティストやレーベルにも同じことであって、決して大手レコード会社や人気アーティストだけに限定されることではありません。

BitTorrent Bundleの活用法は、全てのアーティストがトム・ヨークやDiploらと同じプラットフォームを活用できることを示す、新たな選択肢です。

ソース
Thom Yorke was the most legally downloaded artist on BitTorrent in 2014 (12/24 Gigwise)
The BitTorrent Report, 2014 Edition (12/23 BitTorrent)

cc image by chris atto via Flickr


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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