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「スーパーボウル効果」と言えるかもしれません。アメリカ最大のスポーツイベントの「スーパーボウル」は、試合そのものへの注目の高さもさることながら、テレビCMを出す企業もテレビやネットで必ず大きな話題を作る騒がれ方は、さながらコンテンツの展示会とも言えます。ですが、話題になるのは何も広告を出す企業だけとは限りません。最新のデータによれば、ハーフタイム・ショーにゲスト出演したヒップホップ・アーティストのミッシー・エリオットは、音楽ダウンロード売上が出演によって1,000%アップするのではと予測されていることが分かりました。

アメリカで音楽の売上データを集計するニールセンのNielsen Musicによれば、1月25日付の週間ダウンロード売上6,000ダウンロードから、2月1日の週は7万ダウンロード以上に膨れ上がると見込みます。

「Work It」が最も大きな増加で、約2万ダウンロードに達すると予測され、「Get Ur Freak On」、「Lose Control」もそれぞれ1万5,000から2万ダウンロードに到達する可能性があります。

ハーフタイム・ショーのメインアクトのケイティ・ペリーは、「Roar」が1万7,000ダウンロードで最も大きな売上増加になると見込まれ、彼女の楽曲を全て合わせると1週間で10万ダウンロード以上の売上に達する可能性があります。

Spotifyの再生も増加

オンデマンド型の定額制音楽ストリーミングサーヴィス「Spotify」でもスーパーボウル効果が見られました。ここでもまたミッシー・エリオットの楽曲へ合計で676%再生回数が大きく増加し、ハーフタイム・ショー出演による露出が音楽再生にもつながっていることを証明しました。

Spotifyのデータによれば、ミッシー・エリオットが披露した3曲の中で、「Lose Control」は1,396%、「Get Ur Freak On」は922%、「Work It」は896%のストリーミング再生回数増加が見られました。

ケイティ・ペリーのSpotifyでのストリーミング再生アクティビティは合計して85%のブーストが見られました。披露した曲別では、「Teenage Dream」が139%、「Firework」が107%、「California Gurls」が98%、「I Kissed A Girl」が94%、「Dark Horse」が69%、「Roar」が56%増加しています。もう一人のゲスト出演アーティストのレニー・クラビッツもまたSpotifyで103%の再生回数増加が記録されました。

スーパーボウルを放送したアメリカのテレビ局NBCは、合計で1億1,440万人の視聴者が試合を観戦したと発表しています。これは、昨年のスーパーボウル視聴者数を超えて、アメリカのテレビ番組では過去最大規模の放送という新記録を樹立した歴史的な試合となりました。

ケイティ・ペリーのハーフタイム・ショーもまた1億1,850万人の視聴者を記録して、最も視聴者を集めたハーフタイムショーという新記録を樹立しました。

日本ではテレビ出演したアーティストや音楽フェスティバルで話題を集めたアーティスト達の再生回数やダウンロード回数が劇的に増加したといったデータが開示されることはあまりありません。コンテンツプロバイダーもイベント直後の再生回数までを数値化して公開してくれれば、音楽とメディアとの関係を強化する判断材料となって、より多くのリスナーに音楽を届ける手法につながるのではないでしょうか?

ソース
Missy Elliott’s Spotify Streams Increased 676 Percent Following Her Super Bowl Performance(2/2 Huffington Post)
Missy Elliott on Track for 1,000% Sales Gain Thanks to Super Bowl (2/2 Billboard)

ソース


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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